腰痛と肥満の関係について
肥満の人が腰痛になりやすいということは、良く知られていますね。
また、もともと腰痛持ちだった人が、肥満になることで、さらに腰痛が悪化したなんて話も良く聞きます。
運動不足や食べ過ぎによる肥満の場合、特に「お腹まわり」に脂肪が付きやすいというのは、ご存知のことでしょう。
お腹まわりに脂肪がついてくると、前方へポッコリお腹を突き出したような姿勢になります。
その結果、お腹の脂肪が「おもり」のような状態になるのも手伝って、骨盤の前方への傾斜が強くなり、腰椎も反りやすくなってしまうのです。
さらに、全身の体重軸は前方に移動します。
結果的に、前に出たおなかに対するバランスを取るために、背筋や大臀筋(おしりの筋肉)を過度に使い、腰痛が起きやすくなってしまいます。
おなかが出ていると「立つ」「座る」「前かがみになる」というような簡単な動作でも、腰に強い負担がかかるのです。
肥満による腰痛は、筋力低下も考えられる
肥満による腰痛は、筋力低下ということも考えられます。
そもそも肥満になる人の多くは、運動不足のことが多いですよね。
当然、それに伴って腰回りの筋肉の「筋力低下」は顕著と言えるでしょう。
腰痛にもっとも関係のある筋肉は、大臀筋(だいでんきん)、腹筋、背筋です。
大臀筋(だいでんきん)とはおしりの筋肉のことですが、大臀筋は骨盤を後方から強い圧力で持ち上げ、骨盤のちょうど良い傾きを支えています。
腹筋は、胸やおなかのような身体の前面に圧力をかけて、背骨の支えとなっています。
背筋は、そのまま背骨にくっついていますから、身体の後方から圧力をかけて、背骨の直接的な支えとなります。
これらの筋肉の圧力バランスがうまく保たれることで腰椎が前方に反り、脊柱がS字カーブを作り、安定した身体のクッションが作られるわけです。
つまり、これら「3つの筋力低下」が起きることは、腰をはじめとする身体のクッションのバランスが崩れ、腰痛を引き起こす原因となってしまうのです。
肥満の人のダイエットは腰痛改善の第一歩
肥満体型の方がダイエットをすることは、そのまま腰痛改善につながります。
具体的には、大臀筋、腹筋、背筋の圧力バランスの関係により、この3つの筋肉を鍛えることは、腰痛改善のために、とても有効な方法と言えます。
近年、交通機関の発達や、デスクワークが増えたことによって、現代人は慢性的な運動不足になっており、当然3つの筋力は相当低下しています。
あわせて、カロリー過多の食品や、アルコールを常飲するような生活パターンでは、お腹まわりの脂肪も増え続け、腰椎へのストレスは増え続けるばかりです。
肥満と腰痛をあわせ持っている方は、そんな悪循環から早く抜け出すためにも、適度な運動やカロリーセーブした食生活を心がけるようにしましょう。