腰椎分離症と違和感の関係について
「腰に違和感があるからレントゲン撮ってもらったら腰椎分離症だと言われた。すごく強い痛みがあるわけじゃないのに・・・」
・・・という話を耳にすることがあります。
腰の違和感程度でも、実は腰椎分離症になっていた、腰椎分離症になりかけていたという若い方が結構います。
(年齢を重ねた成人の場合、いつ分離症になったのかわからないため何とも言えないのですが)
ここでは、腰椎分離症の違和感の関係についてご説明しようと思います。
腰椎分離症は違和感から進行していく?
腰椎分離症は、生活習慣やスポーツの特定の動作の繰り返しによって腰の骨の一部にストレスがかかっておこる疲労骨折のような状態です。
疲労「骨折」と言われると、まさか違和感程度で症状がおさまるとは考えないでしょう。
しかし、腰椎分離症は、じわじわと進行することがほとんどなので、多少の痛みがあっても動けてしまう、違和感程度にとどまることが多いのです。
もし、痛みが強いことがあっても、それは腰椎分離症そのものの痛みより、腰の骨の周りの筋肉からの痛みのことが多いです。
腰椎分離症は、腰を反るなどの動作が繰り返されることによって起こります。
そのため、分離している部分の周りの筋肉も繰り返して動くことになるので違和感から始まり、痛みへと変化していくことになるのです。
むしろ、筋肉からくる症状のほうがしんどいくらいです。
腰椎分離症による違和感の特徴としては、腰の骨の真ん中を中心に広がるような感じです。
さらに腰を反るなどの特定の動作をおこなっていると違和感が強くなり、歩いたり、いろいろな方向の動きをしていると違和感がすぐにおさまるといった特徴もあります。
ちょっと歩くだけでおさまる、日常生活に大きな支障をきたすことがあまりない、などの理由からまさか骨が疲労骨折しているとは思わないのでしょう。
成長期にある方は、特に腰椎分離症による腰の違和感には要注意です。
一度レントゲンなどでチェックすることをお勧めします。
腰椎分離症の違和感は、ほったらかしに注意!
腰椎分離症による腰の違和感というのは、実は軽く考えてはいけません。
腰に違和感がある場合は、やはり一度は医療機関を受診することをお勧めします。
特に成長期のお子さんの場合は、腰椎分離症になりやすい時期であること、かつ適切に固定や安静を保てば、まだ治る時期ですので早めの受診がカギとなります。
違和感程度で病院へ行くのはなかなか難しいですよね。
でも、腰椎分離症でなくても内臓からくる腰痛のサインだったり、腰椎椎間板ヘルニアになりかけていたりなど、腰の違和感は、実は重大な問題のはじめの一歩となっていることがあるのです。
脅すようになってしまいますが、腰は体のいろいろな状態をよく表す場所ですので要注意だと思います。
腰椎分離症に限って言えば、違和感はとても大切なサインです。
日常的に同じ動作を繰り返している方、例えば野球、競泳などの部活をしている、重い大きな荷物を運ぶことが多い、立ちっぱなし、うつ伏せで本を読むことが多い、などの生活習慣がある方は注意が必要です。
違和感が強くなってきたなー、と思ったら一度は受診をお勧めします。
違和感程度であれば、腰椎分離症になりかけているだけで、また完全に分離していないケースが多いです。
では、その際に自分でできることはあるのでしょうか?
基本的に腰を反るような動作の繰り返しで起こるものなので、その逆の動作を体操として行うことがよいでしょう。
例えば、寝る前にゆっくりと両ひざを抱えて丸まるような体操を行うなどは有効です。
腰を反らないほうがよいといっても、座っている姿勢を無理に丸くするようなことは別の腰痛を引き起こすので注意が必要です。
また、丸くなっていた時に腰やお尻に鈍痛が出たり、痺れが出たりするようなら逆効果ですし、腰椎分離症以外のものが考えられますので注意が必要です。
腰の違和感は注意が必要になります。早めのチェックをお勧めします。