反ると痛い腰痛について
腰痛には「反ると痛い腰痛」というのがあります。
反ると痛いという腰痛の特徴としては、前にかがむ場合には、腰の痛みをまったく感じないということが挙げられます。
ところが、「腰痛がひどくて反れない」、または「反ると痛い」というタイプの腰痛があるわけですね。
では、反ると痛い腰痛とは、一体どういう腰痛なのかについてご説明したいと思います。
反ると痛い腰痛「後屈障害型腰痛」とは?
反ると痛いタイプの腰痛のことを「後屈障害型腰痛(こうくつしょうがいがたようつう)」と言います。
後屈障害型腰痛は、腰を後ろに曲げたり、上半身を後ろに反らすことで腰に痛みが走ったり、強まったりするのが特徴です。
逆に、腰に何も動きを加えずに安静にしたり「前かがみの姿勢」だと痛みは緩和されたり、感じなくなったりします。
では、なぜ後ろに反ると腰が痛むのでしょうか?
「後屈障害型腰痛」が反ると痛い理由とは?
後屈障害型腰痛になるタイプの人は、何らかの原因によって腰部の「神経圧迫」が起きていることが多いです。
その大きな原因の一つに、加齢による脊椎(せきつい)の変形が挙げられます。
たとえば、腰椎の中には神経が通っている「脊柱管(せきちゅうかん)」という空洞があります。
脊椎が変性すると、この脊柱管が狭くなるために神経圧迫が起きます。
その結果、腰痛や足のしびれを引き起こす腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきついかんきょうさくしょう)を発症したりするのです。
また、変形した腰椎がまわりの筋肉や神経を刺激する、変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)によっても腰痛は引き起こされます。
このような腰痛の場合は、反ることによって、さらに神経と周辺組織の距離が狭くなり、痛みが増すわけです。
症状が悪化した場合、間欠跛行という歩行障害に陥ったり、排泄障害などになる可能性もありますので注意が必要です。
若い人でも反ると痛い腰痛はある?
若い人でも反ると痛いタイプの腰痛になることがあります。
その場合は、スポーツなどの激しい運動が原因で起こる「脊椎分離症」や「脊椎すべり症」などによることが多いです。
また、ふだんから腰を反らせて、お腹を前に突き出した状態の姿勢の方も要注意です。
これは、比較的、肥満体型の方に多い姿勢と言えるでしょう。
女性の場合でしたら、妊婦さんに多い姿勢です。
その場合には、骨盤の角度が過度に前傾することによる「骨盤の歪み」が原因で、腰痛になることもあるからです。
反ると痛い腰痛に悩まされる方は、なるべく激しすぎる運動は避け、また歩く時にはお腹を引っ込めて姿勢を良くすることも大切なのです。