前かがみになると痛い腰痛について
腰痛の中には、「前かがみになると痛い」というタイプの腰痛があります。
後ろに反ると痛むタイプの腰痛よりも、かなり一般的なのではないで
しょうか?
前かがみになると痛いタイプの腰痛のことを、前屈障害型腰痛(ぜんくつしょうがいがたようつう)と言います。
前屈障害型腰痛は、頭を下げて「おじぎ」をしたり、落ちたものを拾ったりする際に痛みが生じたり強まったりするのが特徴です
逆に、身体を後ろへ反らしたり、安静にしている時には痛みはやわらいだり、まったく痛まなかったりします。
では、前屈障害型腰痛は、どうやって起きるのでしょうか?
前かがみになると痛い「前屈障害型腰痛」の原因とは?
前屈障害型腰痛は、椎間板の異常によって起きるケースが多いです。
「無理な姿勢は腰に悪い」というのは一般的にも良く聞くと思います。
前かがみの姿勢、または中腰になることは、腰椎や椎間板、靭帯などにとても大きな負担をかけるのです。
その理由は、骨盤と背骨にかかってくる上半身の重さが大きく関係しています。
通常、まっすぐな姿勢で立つと、人は骨盤が前に30度ほど前へ前傾し、そこにつながる背骨はキレイなS字カーブを描く形で立っています。
ところが、それだけキレイに見える姿勢で立っていたとしても、人間の腰椎には上体の重さがズッシリとかかっています。
中でも、椎骨と椎骨の間にある「椎間板(ついかんばん)」には、相当な負荷がかかっているのです。
正しい姿勢で立っても負荷がかる腰に対して、前かがみや中腰の姿勢でいれば、その負荷は計り知れないものとなるのです。
前かがみの姿勢の角度によって変わる椎間板への負担
腰痛に悩む人の中には、無意識のうちに、中腰や前かがみの姿勢を取っていることが多いです。
中腰や前かがみの姿勢は腰痛の大きな要因の一つと言われています。
たとえば、おじぎをするために20度の角度で前かがみになった場合、椎間板への負荷は約1.5倍にもなると言われています。
さらに、重い荷物を持ちながらそういう姿勢を取れば、椎間板への負担は、2倍、3倍と増大していくのです。
また、前かがみの姿勢を取ると、身体は前に倒れないようバランスを取ろうとして、この時に「背筋」が使われます。
結果的に、背筋の疲労による腰痛「筋・筋膜性腰痛」となることがあるのです。
「前屈障害型腰痛」にならないためにも、背骨のS字カーブをキチンと保った正しい姿勢を意識することが大切なのです。