腰痛の原因は一括りにできない
腰痛の原因は一括りにできないのが現状です。
これは、「腰痛の種類は4タイプ」のページでも書いたように腰痛はさまざまなケースがあるからです。
ところで、あなたは「腰痛」が病名じゃないということをご存知でしょうか?
意外と知られていませんが、実は「腰痛」という名称は、「腰が痛い」という症状です。
つまり、正式な病名ではありません。
まるで、それを裏付けるかのように、人が腰の痛みを訴える時に押さえる箇所は、本当にさまざまです。
背中だったり、腰だったり、胴体の奥だったり、中にはご本人でさえ痛みの場所が特定できない場合もあるのです。
例えば、Aという人が「腰痛で辛い!」と訴えているとしましょう。
その横で、Bという人が同じく「腰痛で辛い!」と訴えていたとします。
その場合、Aさんの腰痛は、腰の筋肉疲労が原因による「腰痛症」だった。
一方、Bさんの腰痛は、腎機能障害が原因の「腰痛」だった。
・・・というようなケースも珍しくないわけです。
つまり、「腰痛」という言葉の括りだけで原因を判断することは、あまりに危険なのです。
腰痛の原因は85%以上が分からない?
長年「腰痛」を抱える方の中には、病院で診察してもらった経験がある方も多いでしょう。
ところが、いざ病院へ行って検査をしてもらうと「何ともありません」と言われて帰されることがよくあります。
「腰が痛い!」と言う症状はあっても「病名」は特定できないことが非常に多いわけです。
このように、病院に言っても原因が特定できない腰痛のことを、非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)と言います。
非特異的腰痛は、だいたい、20代~50代くらいまでの方に多いです。
その割合は、腰痛全般の85%以上を占めるとも言われています。
ちなみに、最近は心理要因による腰痛が存在することが分かっていますが、その場合も非特異的腰痛となります。
レントゲンやMRI、骨密度などもキチンと測っているのに原因が特定できないというのは、ちょっと心配ですよね。
しかし、ほとんどの「非特異的腰痛」は、普段のセルフケアを行うことで改善されていくということを覚えておきましょう。
腰痛の原因が特定される特異的腰痛とは?
原因が特定できる腰痛のことを、特異的腰痛(とくいてきようつう)と言います。
原因が特定できる腰痛ですから、病院へ行ってもキチンとした診断結果が下されます。
例えば、以下のような病名です。
- 椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア)
- 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
- 腰椎すべり症(ようついすべりしょう)
- 感染性脊髄炎(かんせんせいせきずいえん)
- 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
などなど・・・
その他にも、外傷による腰痛や、尿路結石や婦人科系の病気などの内臓疾患による腰痛があります。
特異的腰痛は、診断結果が下される腰痛ですので、それぞれ症状に応じた治療を受けることが大切です。