内臓疾患による腰痛について
外的要因がまったく思い当らないのに、腰痛になってしまったという場合には、内臓疾患による腰痛を疑う必要があります。
内臓疾患による腰痛は、外的要因にはない「なんとなくイヤな感じ」というニュアンスがあることが多いです。
内臓疾患による腰痛の特徴としては、姿勢を問わず、ある特定の場所がシクシクするなど、ふだんでは感じることがない違和感をともなう痛みがあります。
姿勢に関係ないということは当然、寝ている時にも痛みがあり、あまりの痛みに寝ていられないという状態になる方も多いです。
内臓疾患から来る腰痛に関しては、単に腰痛という言葉で片付けられるようなものではなく、かなり深刻な場合が考えられます。
腰痛の原因となる内臓疾患とは?
腰痛が考えられる内臓疾患の中で、まず一番多いのが、腎臓の病気です。
これは、腎臓そのものが背中側の腰辺りにあるので、例えば腎盂炎(じんうえん)や腎臓結石のような問題があった場合に、痛みとなって表れやすいからです。
その他の腰痛に通じる内臓疾患を大まかに並べると、以下のようになります。
- 泌尿器系
- 消化器系
- 循環器系
- 内分泌系
- 婦人科系など
泌尿器系の場合なら、尿管結石や腎盂炎(じんうえん)、男性なら前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)。
消化器系なら、胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)が疑われます。
内分泌系なら胆のう炎や膵炎(すいえん)。
考えたくはありませんが、膵臓ガンの可能性も否定はできません。
循環器系なら、腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)、これは脊椎の近くに大きな動脈が通っているからです。
婦人科系なら、子宮内膜症、卵巣膿腫、子宮や卵巣の腫瘍なども考えられます。
内臓疾患が原因で起きる腰痛は、腹痛、吐き気、発熱、目まいなど、腰痛以外の症状が見られるケースが多いです。