病気と呼べない腰痛 非特異的腰痛とは?
「病気と呼べない腰痛」は、病院へ行っても診断結果としての病名が付かない、もしくは付きづらい腰痛のことです。
病気と呼べない腰痛のことを、非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)と呼びます。
実は、非特異的腰痛は、腰痛全体の85%以上を占めると言われているのです。
つまり、一般的な腰痛のほとんどが、非特異的腰痛ということになります。
しかし、病院で診てもらう必要がないからと勝手に決めて長期に渡って放置していると、症状が悪化し、明らかに「腰の病気」という状態に進行してしまうことも考えられますので、注意が必要です。
非特異的腰痛は、悪い姿勢や生活習慣による筋肉疲労が原因の場合が多いです。
そのため、「疲労性腰痛」「姿勢性腰痛」などと呼ばれることもあります。
非特異的腰痛の中には、ぎっくり腰(急性腰痛)や、腰痛症(疲労性腰痛、姿勢性腰痛)などがあります。
非特異的腰痛の原因について
病気と呼べない腰痛の原因には、さまざまな外的要因が挙げられます。
まず、ふだんの姿勢についてですが・・・
一般的に腰痛という言葉を聞くと、立っているより座っている方が腰への負担は軽そうだと思いませんか?
ところが実際は、座りっぱなしの姿勢は、立ちっぱなしの姿勢よりも椎間板(ついかんばん)への負担が大きいのです。
タクシーやトラックドライバーの方に「腰痛持ち」の方が多いのも、頷けるところですね。
ですので、以下のようなことが多い方は、腰痛になる可能性が高いと言えます。
- 職場で長時間のデスクワークが多い
- パソコン作業などで同じ姿勢をずっと続けている
- 飛行機や新幹線などで長時間じっと座ることが多い
- お休みの日などにたくさん寝過ぎてしまう
- 前述したトラックやタクシードライバーのようなお仕事
上記に挙げた例は、非特異的腰痛の外的要因の中でも「慢性腰痛」になりやすいパターンです。
非特異的腰痛 急性腰痛症(ぎっくり腰)
激しい運動などによって、突発的に腰椎(ようつい)を痛める方も多いです。
突発的な腰痛のことを急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう)と言います。
一般的には、ぎっくり腰と呼ばれていますね。
以下のようなことが多い方は急性腰痛症(ぎっくり腰)になる可能性が高いと言えます。
- 急に激しい運動をした
- 重い荷物を急に持ち上げた
- 体重が急激に増えた
急性腰痛症と名前がつくだけに、急激な運動をしたり、体に急激な変化が起きた時に多くみられる症状です。
動けなくなるくらい激痛が走る状態であれば、誰しも安静にしているしかありませんが、中途半端な痛みを伴う人の場合、逆に注意が必要です。
痛みが弱いからと無理をして身体を動かすと、痛みが悪化したり、慢性的な腰痛持ちとなるケースが良くあるのです。
運動しないのに腰痛になるケース
慢性的に腰に無理をかけたり、急激な運動によって腰痛になることは、とても多いです。
しかし、実はまったく運動しないのに腰痛になる方も、少なからずいらっしゃるのです。
運動をしないのに腰痛を抱える人は、腰を支える無数にある筋肉組織が、かなり硬直しているケースが多いです。
運動不足になっている人が、さらにずっと同じ姿勢を続けることで筋肉がカチカチになり、腰痛の原因となるわけです。
このタイプの腰痛は、自分で運動不足に気づいてストレッチなどの運動を行わない限り、知らず知らずの内に進行するので注意が必要です。