腰痛改善のために漢方を活用する
腰痛に漢方薬が良い効果を発揮することは、良く知られていますよね。
ご周知の通り、漢方薬は天然の植物等で作られる自然の生薬のことです。
漢方薬は、様々な組み合わせをすることによって腰痛の症状を緩和改善してくれます。
ただし、西洋医学的な感覚で服用すると、即効性という意味で物足りないと感じる方もいらっしゃると思われます。
漢方薬は、長期間服用することで慢性化しやすい腰痛をゆっくり改善してくれると考えましょう。
では、腰痛改善のための漢方薬について書いて行きます。
漢方医学から考える腰痛の原因とは?
漢方医学の観点から考える腰痛の原因は、西洋医学の考え方とはちょっと違います。
腰痛は、経絡(けいらく)というカラダを通る「栄養の通路」が滞るために起きると考えられています。
漢方から考える腰痛の原因としては、まず腎虚(じんきょ)と呼ばれる腎機能の低下が挙げられます。
ちなみに、腰部のことを「腎の府」と呼びます。
それと、血(けつ)水(すい)と呼ばれるリンパ液の滞り、手足や腰の冷え等も腰痛の原因と考えられています。
つまり、漢方医学では身体の気・血・水の流れをスムーズにすることで全体のバランスを整え、その結果として腰痛改善を行っていくのです。
腰痛改善によく使用される漢方薬とは?
腰痛の改善を行うために良く使用される漢方薬がありますので、ご紹介します。
葛根湯(かっこんとう)
葛根湯は風邪薬などにも使用されていますので、なじみ深い名前だと思います。
7種類の生薬が配合されています。
配合されている芍薬(しゃくやく)には、腰痛を軽減してくれる作用があります。
また、桂皮(けいひ)が配合されていますから、それによって身体を温めてくれます。
麻黄加朮湯(まおうかじゅつとう)
麻黄加朮湯(まおうかじゅつとう)には、水毒(すいどく)と呼ばれるカラダの水が滞る症状を緩和する作用があります。
これによって水分が排泄され、体液の循環を良くしてくれます。
また、発汗作用や炎症を抑える働きがありますので、腰痛をやわらげてくれます。
重だるさのある、慢性腰痛に効果的です。
桂枝加朮附湯(けいひかじゅつぶとう)
桂枝加朮附湯(けいひかじゅつぶとう)は、冬の寒さなどで腰痛が悪化する「冷え性」の方に効果的です。
配合されている芍薬(しゃくやく)が痛みをやわらげてくれ、附子(ぶし)や桂皮が身体を温めてくれます。
当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)は、生理痛や月経困難の女性、手足や腰が冷えて背中から腰にかけて痛みが走る方などに効果的です。
配合されている当帰(とうき)には、血流をスムーズにして貧血を改善し、さらに体を温めてくれる効果があります。