妊娠と腰痛との関係について
妊娠と腰痛は、大きな関連性があると言えるでしょう。
一般的に、男性の方よりも、女性の方が腰痛に悩んでいる方が多いように思います。
もちろん、その理由はいろいろ考えられますが、一つに女性には「生理がある」ということが挙げられるでしょう。
生理痛の痛み方は人それぞれですが、生理痛の症状の一つに「腰痛」も含まれます。
ところが、いつも通り「生理の腰痛」と思っていたものが、「妊娠超初期症状」だったという場合もありますので、注意が必要です。
ここでは、妊娠と腰痛の関係性についてご説明しましょう。
妊娠超初期症状による腰痛
「妊娠超初期症状」とは、妊娠初期よりもさらに早い段階という、文字通り「超」がつくほどの妊娠初期に起こる症状のことです。
着床によって、ホルモンバランスが変化するために起きると言われています。
腰痛は、生理前によく発症しますが、妊娠超初期症状の時にもよく現れます。
それは、生理前や妊娠超初期症状の腰痛には、リラキシンという卵巣ホルモンの一種が深く関わっているからと言われています。
リラキシンには、関節を緩める働きがあり、それによって骨盤の恥骨結合を緩め、十月十日の妊娠を継続したり、赤ちゃんが産道を
通っていくための準備に入ります。
もちろん、リラキシンの働きは出産のために必要なのですが、困ったことに全身の関節まで緩めてしまう可能性があるのです。
特に、関節を強く支えている靭帯(じんたい)が緩むことで、関節の可動領域が過剰に広がります。
結果的に、腰や頸椎などの関節を一緒に支えている筋肉や腱に大きく負担がかかり、腰痛になりやすくなってしまうのです。
生理による腰痛と、妊娠超初期症状による腰痛の違い
生理による腰痛と、妊娠超初期症状による腰痛は、非常に良く似ています。
しかし、いくつか見分け方がありますのでご紹介しましょう。
まず、「もともと生理前にはよく腰痛になる」という方の場合は、腰痛の重さやタイプ、痛みの箇所を確認しましょう。
もしも、いつもと違うタイプの痛みを感じたり、痛む箇所が違うという場合には、妊娠超初期症状である可能性があります。
妊娠超初期症状による腰痛の場合は、頭痛や腹痛、重だるい感じや、吐き気、胸の張り等を伴うことも多いです。
「この痛みはいつもの生理による腰痛じゃないかも?」と感じたなら、早めに妊娠検査薬などを使用して確認することも重要です。
(もちろん、身に覚えがある場合に限りますが・・・)
2つの腰痛を見分けるには、最終的には妊娠が確定するか、生理が来るかのどちらかしかありませんからね。
また、リラキシンの働きは、妊娠中から出産までずっと継続していくものです。
特に、お腹の赤ちゃんの体重の増加と共に、お母さんの体重も増加していくわけですから、腰への負担も日に日に大きくなっていきます。
妊娠中の腰痛を最小限にするためにも、ぜひ適度な運動を心がけましょう。
もちろん、産婦人科の医師にキチンと相談をして無理のない運動をすることが重要なのは、言うまでもありません。