うつ病が原因で起きる腰痛について
うつ病が原因で、腰痛が引き起こされることをご存知でしょうか?
筋肉の疲労や、骨の異常が原因なら分かりますが、なぜか「うつ病」という精神的な疾患が腰痛に大きく関係しているのです。
ストレスの多い現代社会において社会問題ともなりつつある、腰痛とうつ病の関係についてご説明します。
腰痛は、筋肉や骨、内臓などによる「肉体的不調」が原因のケースと、不安やストレスなどの「心理的不調」が原因になるケースがあります。
心理的不調が原因で起きる腰痛のことを、心因性腰痛症(しんいんせいようつうしょう)と言います。
うつ病から腰痛?腰痛からうつ病?
最近、病院で「うつ病で腰痛が起きることを知っていますか?」というポスターが貼られているのを見かけることがあります。
それだけ、多くの方が悩まされている腰痛ということでしょう。
では、なぜ「うつ病」が腰痛の原因となるのでしょうか?
それは、精神と肉体との関係においては、別に珍しいことでも何でもないのです。
昔から「病や気から」という言葉があるように、ストレスや不安が肉体的疾患となって現れるケースはとても多いと言えます。
例えば、ストレスが原因で「胃潰瘍」になる方や、仕事のプレッシャーが原因で「下痢」や「目まい」等の症状を訴える方は良く見かけますよね?
つまり、それだけ精神と肉体は密接に関係しているわけです。
また、うつ病が原因で腰痛になるというお話はしましたが、実はその逆パターンも存在します。
腰痛を長い間我慢し続けていると、「うつ病」になることがあるのです。
これは腰痛に限らず「痛み」全般に言えることですね。
人間は、痛いのを我慢していると気持ちが落ち込み気味になります。
少しの落ち込みならそんなに問題ありませんが、腰痛が長く続くと、過度の不安やストレスに悩まされ「不眠症」や「うつ病」になるケースがあるのです。
うつ病が原因の腰痛になったら?
うつ病等の心理的不調が原因で起きる腰痛の症状には、いくつか特徴があります。
一般的な腰痛の検査をしても異常が見られない
整形外科等でレントゲンやMRI検査を行っても、腰回りの筋肉、腰椎、骨盤などに異常が見つからないことが多いです。
一般的な腰痛の治療を行っても効果がない
痛みを抑えるための鎮痛剤を打っても効かない、腰の筋肉を伸ばすリハビリ等も効かない、手術を行っても治らない等。
ストレスを感じると痛みだす
例えば、職場の人間関係やパワハラに悩む方が、月曜日の朝に腰痛を訴える。
中高年の方が、親や義親の介護のことについて悩むと痛みだす等々・・・
この他にも様々な症状がありますが、精神と肉体は複雑に絡み合っておりシロウトがいろいろと考えても答えが出ない場合が多いです。
不安な場合には、整形外科やペインクリニックへ行って、腰痛治療のための「問診」を受けることをおススメします。
その際、腰痛の症状以外に、患者を取り巻く「心の問題」を評価する質問票もあります。
該当するポイントにチェックを入れて相談すれば、キチンと対応してくれるでしょう。