腰痛と寒気(悪寒)が同時に起きることについて
腰痛と寒気(悪寒)が同時に起きることがあります。
もちろん、その理由はいろいろと考えられます。
ただし、以下のような特徴の「腰痛」や「その他の症状」があらわれている時は「腎盂腎炎(じんうじんえん)」を疑った方が良いかも知れません。
【腎盂腎炎の症状】
- 鈍くて重い感じの腰痛、脇腹や背中の痛み
- 残尿感をともなったり、尿そのものの回数が増加
- 寒気、ふるえ、高熱、吐き気、体中がだるい
腎盂腎炎の初期症状としては、寒気(悪寒)から始まり、高熱を伴うことが多いです。
寒気、全身の重だるさ等の症状が出ることもあります。
痛みは、腰やワキ腹、背中にかけて起きることが多く、胸がムカムカしたり、吐き気、嘔吐となる場合もあります。
腎臓の疾患ですから、おしっこをした後も「残尿感」をともない、尿の回数も増えます。
酷くなると、おしっこをする時に、激痛が走ります。
小さな子供やお年寄りの場合は、症状が重くなることで脱水による意識障害に陥ることもあります。
もっと重度になると、感染した細菌が血流から全身に広がっていき、命に関わることもありますので注意が必要です。
腰痛と寒気を伴う「腎盂腎炎」の原因と特徴
腎盂腎炎(じんうじんえん)は、腎盂という尿が溜まる場所に細菌が繁殖して、その結果「腎臓」にまで炎症が広がった病気のことです。
主な原因は、尿道から感染した細菌(大腸菌のような腸内細菌が多い)が尿管をさかのぼっていくことで、腎盂にまで広がることで起きます。
通常、腎盂腎炎は、細菌が身体の免疫力により退治されたり、おしっこによって体外へ排出されるため、簡単に起きることはありません。
ただし、尿管結石や、糖尿病、男性の場合なら前立腺肥大症などの疾患によって、腎盂腎炎になることが考えられます。
心配な場合は、泌尿器科などで診断してもらいましょう。
ちなみに、腎盂腎炎は、男性よりも尿路感染症にかかりやすい女性の方が発病率が高く、およそ2倍とも言われています。
腎盂腎炎の治療
腎盂腎炎は、ふつうに病院へ行ってキチンと治療してもらえば、問題なく治る病気です。
ただし、症状に気づかず放置していたり、完治していないのに治療を怠れば、再発を繰り返してしまうと慢性化する恐れがあります。
腎盂腎炎は、急性と慢性を比べる、と症状そのものは、慢性の方が軽いです。
しかし、症状が軽いことをイイことに放っておくと、病気の進行とともに腎機能がジワジワと蝕まれ、結果的に腎不全となることも考えられます。
腰痛や寒気、または上記のような症状がある場合には、病院へ行って「尿検査」や「血液検査」を受けることをおススメします。