腰痛とアルコールの関係について
お酒やビールなどのアルコール類を飲み過ぎて腰痛になることがあります。
お酒を飲んで腰痛になるとは、一体どういうことでしょうか?
少しのアルコールなら血行を促進しますので、腰痛の緩和に役立つとも考えられます。
お酒は「百薬の長」とも言いますからね。
お酒と腰痛の関係はいろいろありますが、一つは、ビールなどの冷たいアルコールを飲みすぎると腰の筋肉が硬直し、腰痛症やギックリ腰等になりやすくなるというものです。
楽しくお酒を飲んでいる時には、アルコールの影響で意識がマヒしているのですが、翌朝、起きた時などに激しい痛みに襲われるケースも多いようです。
これは特に、体質的に「冷え」が起こりやすい方に多い症状です。
アルコールによる腰痛で疑うべき病気
また、アルコールを飲み過ぎることで、内臓にはかなりの負担がかかることは言うまでもありませんね。
アルコールで内臓を悪くすると言えば、肝臓をイメージする方がほとんどでしょう。
しかし、あなたが多量のお酒を飲んだ後、腰痛と一緒に背中や肩回り腹部(みぞおち)などの痛みを感じたとしたら・・・
それは膵臓(すいぞう)が悪くなっているサインかも知れません。
特に、多量のお酒を飲んだ後に、突然の激痛という場合には、急性膵炎(きゅうせいすいえん)を引き起こしている可能性があります。
膵臓は、体内で脂肪・タンパク質・炭水化物等を「膵液」を分泌することで分解し、栄養の吸収を行っています。
ところが、大量のお酒を飲むことにより、膵液を分泌する膵管(すいかん)という管が腫れて、膵液が膵臓の中に滞りやすくなり、その結果「急性膵炎」となってしまうのです。
消化酵素の膵液がたまるわけですから、膵臓そのものが消化されてしまうような現象が起き、それが急性膵炎の激痛となって現れるのです。
その場合は、言うまでもなく早急に病院で診てもらってください。
アルコールによる腰痛の原因「膵炎」は慢性も怖い
急性膵炎(きゅうせいすいえん)には激痛が伴いますが、慢性の膵炎の場合は鈍痛が多く、ひんぱんに腰や背中痛に襲われるようになります。
慢性の膵炎は、急性のような激痛とならないため気づきにくく、知らない間にジワジワと身体を蝕むこともある怖い病気です。
さらに、膵臓は血糖値の調整も行っており、機能が衰えると「糖尿病」を発症させてしまうリスクもありますので注意が必要です。
膵炎の発症は、女性よりも男性の方が多く、特に30~40代くらいの働き盛りの人は要注意と言えます。
通常、腰痛と言えば、整形外科などを想像すると思いますが、膵炎から来る腰痛の場合は「内科」や「消化器内科」で診断してもらいましょう。
普段できる予防としては、自分はお酒に強いからと過信せず、ほどほどに飲むこと。
また、揚げ物などの脂っこい食べ物は膵臓に負担をかけますので、控えましょう。