腰椎分離症の症状を引き起こす原因は?
腰椎分離症(ようついぶんりしょう)の症状についてご説明します。
では、まず「腰椎分離症」のメカニズムついて詳しく見てみましょう。
腰椎分離症とは、主に20歳以下、それも10~14歳の成長期のお子さんに一番良く見られる病気です。
スポーツで過酷なトレーニングを行ったり、腰部が回旋するなどの負担がかかることで、腰椎の後部にある「椎弓(ついきゅう)」という骨が、徐々にひび割れてきて、疲労骨折を起こします。
腰椎分離症は、ケガのように一回の損傷によるものではなく、繰り返し腰に負荷がかかることで起きるのが特徴です。
そのため、腰痛などの様々な症状を引き起こしてしまうのです。
腰椎の後の椎弓は、神経などの内部組織を守るため「筒状」の形をしています。
ジャンプ等の激しい運動をする時や、腰を捻るような運動を続けると椎弓に過度な負担がかかり、疲労骨折してしまいます。
この疲労骨折が治癒しない時に、「腰椎分離症」を発症すると言われています。
ちなみに、腰椎分離症は、「腰椎」であればどこにでも起きるのかというと、そうでもありません。
5つある腰椎の中で「第5腰椎」が分離するケースがほとんどだと言われています。
腰椎分離症の症状いろいろ
腰椎分離症になった場合、さまざまな症状を引き起こします。
たとえば、腰椎分離症は、腰の痛みや下肢のしびれという症状をキッカケに見つかることが多いです。
基本的には、運動する時に感じる「腰痛」が主な症状です。
また、腰椎の後部にある椎弓が損傷することによって、痛みを発症しますので、「後に反る」ような動きをすると、激しい腰痛を生じることがあります。
これは、脊柱管(せきちゅうかん)と呼ばれる椎弓中を通る「管」や、神経根を刺激するために起きる痛みです。
神経根が圧迫されると坐骨神経痛のような症状になることもあり、椎間板ヘルニアと勘違いしてしまうケースも良く見受けられます。
腰椎分離症の症状の初期の頃は、腰の痛みが強く出て、さらに持続することが多いです。
分離部にある棘突起(きょくとっき)という部位を押すと、さらに痛みが増します。
ただし、腰椎分離症になっている方でも、症状に関してはまったく起きないというケースもあります。
そんな場合、腰痛や下肢のしびれ等が現れていなくても、男性3~7%、女性1~4%くらいの方が腰椎分離が起こっていることが判明しています。
腰椎分離症の症状に対する対処法
腰椎分離症の症状であることが分かった段階で、まずは、運動をすべて中止します。
(最低2~3か月くらいはスポーツはお休みと思った方が良いしょう。)
腰椎分離症の症状が初期の場合、コルセットなどで「固定療法」を行えば、治療することが可能です。
つまり、なるべく早い段階で固定することで、骨がくっつきやすくなるということです。
痛みが強い場合には、痛み止めなどの治療が行われます。
ただし、腰椎分離症となっている期間が長い場合、分離した腰椎がうまくくっ付いてくれません。
その場合、腰椎すべり症に発展してしまうケースがよくありますので、なるべく早い段階で、整形外科などで診断してもらいましょう。