腰椎分離症の安静期間について
腰椎分離症の安静期間は、どれくらいを見ておけばよいのでしょうか?
腰椎分離症は、腰部の椎骨の前側にある「椎体」と後側にある「椎弓」と呼ばれる部分が、疲労骨折によって分離した状態のことです。
つまり、腰椎分離症は椎骨の「骨折」なのですから、ふつうの骨折治療のように、安静期間はしっかりと取る必要があります。
安静期間の長さは、治療内容や目的によっても違ってきます。
たとえば、腰痛の軽減を目的にする場合は、1~3か月ほどの安静期間が必要となります。
分離した骨が骨融合するまでの期間ということでは、半年~1年ほど安静期間を取る必要があるでしょう。
もちろん、レントゲンなどで骨の接合がきちんと確認できるまでは運動などは厳禁と言えます。
症状レベルにもよりますが、腰痛の元となる炎症が和らぐまでと考えるなら、それくらいは必要でしょう。
ただし、安静という言葉を使ってはいますが、基本的に腰椎分離症の場合、日常生活はふつうに送って大丈夫です。
やってはいけない動作というのは、スポーツなどの激しい運動を行ったり、腰を捻ったり、後に反り返ったりするような腰に負担をかける動きのみとなります。
腰椎分離症の安静期間はコルセットも有効
腰椎分離症の安静期間中、腰痛などの痛みが激しかったり、しびれが辛かったり、腰に何かしらの違和感があるというケースもあるでしょう。
そんな時は、コルセットなどを着用することによって、腰の筋肉のサポートをすることも効果的な方法の一つです。
腰椎分離症の現れる症状によっては体を積極的に動かしたり、定期的にマッサージが効果的なケースもあります。
しかし、激しい痛みを生じる「急性期」の場合、コルセットの着用が有効と言えるでしょう。
痛みが少し落ち着いたら、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や大腰筋(だいようきん)を鍛えたり、マッサージで血液の循環を良くすることを意識しましょう。
また、ひと通りの腰椎分離症治療が終了したら、少しずつ「腹筋」や「背筋」を鍛えましょう。
その理由は、治療中に安静にしていた分、筋肉は弱まっているからです。
筋肉が弱まっていると、腰部の関節が不安定になり、腰椎分離症の再発も考えられます。
しかし、腰部の筋肉を強くすることで関節が安定し、まるで天然のコルセットを着用しているかのような状態が、筋肉によって作られるのです。
ただし、くれぐれも急激にハードな筋トレを行うのは厳禁ですので、注意してください。
腰椎分離症の安静期間は年齢でもちがう?
腰椎分離症の安静期間は、年齢や症状によっても違ってきます。
たとえば、20代以下の若い方の場合、半年くらいあれば骨融合も十分にできるでしょう。
ご年配の方の腰椎分離症の場合、安静期間によって骨融合することを考えるより、腰回りの筋肉を鍛えることの方が重要かもしれません。
なぜなら、成長期の子供さんの場合は回復力が高く、骨融合が期待できますが、ご年配の方の場合は、骨融合がほとんどないという状態だからです。
ですから、若い方が腰椎分離症になった場合は、安静期間を長めに取る。
逆に、中高年以上の年齢で発症した場合は、炎症の痛みが引いた時点で筋力を鍛えるリハビリに切り替えたほうが良いでしょう。