腰椎分離症の原因について
腰椎分離症の原因には、どのようなことがあるのでしょうか?
腰椎分離症(ようついぶんりしょう)の原因の一つとして、スポーツなどの激しい運動によって起きるということが挙げられます。
腰椎分離症は、20歳以下の成長期の若者に多いのですが、特に多いのが「中学生頃」だと言われています。
その原因は、世代的に、まだ筋肉や骨が成長段階で成熟しておらず、そこに激しい運動が加わることによって、疲労骨折を起こすためです。
腰椎分離症は、特に背中を大きく反ったり、瞬間的に捻ったりする運動が発症原因であることが多いです。
つまり、腰の回旋をしたり、ジャンプをすることによって腰椎の後部に亀裂が入って発症するのです。
たとえば、野球、テニス、バドミントン、バレーボール、バスケットボール、体操やバレエも該当します。
ちなみ、一般の人の場合、腰椎分離症の人は大体5%ほどと言われていますが、スポーツ選手の場合、約30~40%の人が「腰椎分離症」だと言われています。
学生時代に激しい運動をしていた経験のある方は、大人になってから腰椎分離症を発症するケースもあります。
その原因は、すでに、成長期で腰椎分離症を発症していたにも関わらず、症状が出なかったということが挙げられます。
そのため、成長期では気づかずに、成人してから疲労などがキッカケで症状が現れるというケースです。
腰椎分離症の原因の詳細は?
腰椎分離症の原因について、少し詳しく見ていきましょう。
まず、腰椎(ようつい)と呼ばれる腰にある背骨は、椎骨(ついこつ)という骨と椎間板が積み木のように重なって構成されています。
椎骨の後側には椎弓(ついきゅう)と呼ばれる骨が突き出しています。
椎骨は「椎間関節」によって上下にジョイントされています。
椎間関節は、スポーツなどの激しい運動を、継続的に行うことで疲労を起こしてしまいます。
そのため、椎間関節に亀裂が入ったり、疲労骨折を起こすことで骨がズレてしまい、腰椎分離症を発症してしまいます。
ちなみに、分離によって椎骨が前方にズレた状態のことを、「腰椎分離すべり症」と言います。
実は、腰椎分離症を放っておくと、1~2割の確率で腰椎分離すべり症に進行してしまいます。
腰椎分離症と腰椎すべり症は、同時に起きるというケースも多いですが、症状は非常に類似しています。
腰椎分離症が痛む原因は?
腰椎分離症が痛む原因とは、どこにあるのでしょうか?
主な原因は、「神経の刺激」によるものと言われています。
腰の骨は、椎間関節が疲労骨折を起こすことで「椎骨」の支えが弱まり、おのずと不安定になります。
すると、腰部の靭帯や椎間板などに過度の負担がかかり、結果として、「神経」に刺激が加わり腰の痛みとなって現れるのです。
ちなみに、この腰椎分離症・すべり症によってズレを起こした椎骨が「坐骨神経」の神経根を圧迫することで、坐骨神経痛を発症することもあります。
この坐骨神経痛の症状が現れる場合、腰椎分離症・すべり症が原因で、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症を合わせて引き起こしているケースもあります。
すると、これらの症状である、足の痛み・足のしびれ・足のもつれ・脱力感・間欠性跛行(かんけつはこう)などが現れることがありますので注意が必要です。