腰椎分離症と炎症~痛みがないことも?・・・~
腰椎分離症で起こる痛みにはいくつかの原因があります。
たとえば、分離した骨の部分での炎症はもちろんですが、分離した骨が周りの筋肉や靭帯、椎間板を刺激することで起こる炎症もあります。
また、分離した部分は全く痛みがなく、分離した部分がよく動くために周りの筋肉からくる痛みなどもあり、挙げればいろいろ出てきます。
腰椎分離症の急性期では、分離した骨の部分での炎症が起き、そこから痛みがでることがありますが、激しいことはまれです。
ここでは、そんな腰椎分離症と炎症の関係についてご説明します。
腰椎分離症による炎症は、どんな症状なのか?
腰椎分離症による炎症には、一体どんな症状があるのでしょうか?
腰椎分離症が疲労骨折のようなものと言えば、多くの方が持つイメージとは違うかもしれませんが、じわじわと分離していくので炎症による痛みはそこまで激しくはないのです。
当然、周りの筋肉の疲労があったり、炎症の影響を受けますので、なんだか重いような、鈍いような痛みが何をしていても続くという時期があるのです。
さらに分離した部分の炎症の影響により、周りを支える筋肉・靭帯や骨と骨の間のクッションである椎間板からも痛みが出ることがあります。
靭帯や椎間板へ炎症の影響が広がると、腰椎分離症になった部分だけでなく、お尻のほうにまで広がるような鈍痛が出現することもあります。
そのため、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛と間違われることもあるようです。
ただし、上に書いたような炎症による腰椎分離症の痛みは、あまり長く続かないことが多いです。
もちろん日々繰り返し負担をかけている場合は、だらだらいつまでも痛いというケースもあります。
ちなみに、最初の痛みがある程度強くても、徐々に落ち着いて来るので放置されることが多く、治るタイミングを逃がすことが多いようです。
なんだか腰が疲れる、骨の真ん中にドーンと重いような痛みが常にある、同じ姿勢を取っていると徐々に痛みが出てくる、寝ていてもなんだか違和感や鈍痛がある、などは炎症の痛みかもしれません。
腰椎分離症と炎症~無理がダメな時期もある~
腰椎分離症による炎症は、先にも書いたように痛みが激しいことはまれです。
さらに腰椎分離症であっても痛みが全くないということもしばしばあります。
しかし、腰椎分離症による炎症でも痛みが強いことがあります。
腰椎分離症は思春期、成長期になることがよくあります。
その場合は骨が分離しかけている状態なので、そこで強い炎症が起こった場合は強い痛みを出すことになります。
さらに、分離した骨が周りの筋肉や靭帯、椎間板を刺激し、炎症が起こった場合、周りの筋肉に強い負担がかかるケースが多いです。
その場合、筋肉そのものにおこった炎症など、痛みが出る原因は様々です。
では、腰椎分離症で炎症が起こり、痛みがある場合、どんなところに注意がいるのでしょうか?
基本的に炎症が強い場合は、安静時痛といって何をしていてもしていなくても常に違和感や痛みが出現します。
もちろん、体を動かすときには強い痛みが出ます。
これはいわゆる急性期になりますので、痛みのある動作は極力避ける、お風呂であまり無理に温めることはしない(軽くすませ、リラックスできる程度であれば大丈夫です)ことが大切です。
また、あまりうずくようであれば氷で冷やす、などが注意点となります。
氷で冷やす場合、保冷材などは使わず、氷をビニール袋に入れ直接痛いところにあてる形で15分~20分冷やすのが理想です。
周りの筋肉や靭帯、椎間板にまで炎症が広がる場合、強い炎症がおさまっても腰椎分離症に特徴的な繰り返しの動作によってだらだらとくすぶるように炎症が続くことがあります。
その場合は腰だけでなくお尻にまで症状が広がり、まるで腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛のような症状になります。
やはり無理はせず、一度医療機関で状態はチェックすべきかと思います。
中には腰椎椎間板ヘルニアと腰椎分離症に合わせてなっていることもあるようです。
炎症があるときの不快な痛みはつらいものです。じっとしていても痛みがある場合は要注意、無理をせず動ける範囲で動くようにしていきましょう。