腰椎分離症と肥満~やっぱり太り過ぎはダメ?~
腰椎分離症と肥満は関係ありますか?ということを質問される方がよくいらっしゃいます。
腰椎分離症は、生まれつき、または習慣による繰り返しのストレスによって腰の背骨の一部が離れているものです。
習慣によって腰椎分離症になった場合、治るタイミングを逃してしまうと「骨そのもの」はもうくっつくことはありません。
ただし、治ることがないといっても適切な体の使い方を身に着ければ、骨がくっ付かなくても痛みが出なくなります。
この腰椎分離症と体重、すなわち「肥満」には少なからず関係があります。
ここでは、腰椎分離症と肥満との関係性についてご説明します。
腰椎分離症が肥満と関係がある理由は?
腰椎分離症と肥満が関係あると言われる原因は何でしょうか?
まず大きく関係してくるのは、肥満による体重の増加です。
そもそも腰椎分離症は、先にも書いたように習慣による腰への繰り返しのストレスによって起こるものです。
例えば、野球のピッチャーや水泳選手のように繰り返し同じ動作を行う方が、間違った体の使い方を行うとなりやすいのです。
もちろんスポーツ選手でなくても、腰椎分離症を起こす生活習慣は、いろいろとあります。
重いものを抱えたり、子供を抱っこしたり、体をねじるなどなど、結構普段やっている動作です。
さらに、このような生活習慣に加え、肥満になって体重が増加すると、腰椎、腰の骨にかかるストレスは何倍にも膨らみます。
腰椎分離症は背骨の一部を何度もトンカチで叩かれるようなものです。
肥満による「体重」がトンカチのようなものですから、それがどんどん大きくなれば加わる力も大きくなってしまいます。
また、肥満による腰椎分離症への影響は他にもあります。
肥満の方が腰椎分離症になると、将来的に筋肉が落ちてきたときに骨を支えにくくなります。
そのため、分離した部分がずれてしまう「腰椎分離すべり症」にまで進行しやすくなるのです。
その結果、ずれた骨が神経を圧迫し、足のまひや痺れを出してしまうのです。
腰椎分離症において肥満はとても大きく関係するものです。
腰椎分離症になるかどうかも左右するだけでなく、なってしまった後にも大きく影響します。
また、肥満で体重が増えれば、周りの筋肉への負担も大きくなるため、他の腰痛にもなりやすくなるのです。
腰椎分離症と肥満~肥満のための運動は何してもいいの?~
肥満の方が腰椎分離症にならないためには、どうすれば良いのでしょうか?
それには、そもそも肥満を解消することが重要なのですが、そんなことを言っても元も子もありませんね(笑)。
そこで注意すべき点としては、「姿勢」が挙げられます。
腰椎分離症は、腰を反る動作やねじる動作の繰り返しによっておこります。
そのため、「反る」という動きだけでなく、もともとの姿勢が反り気味であれば、ますます腰にかかるストレスが増してしまいます。
特に、肥満の方はお腹が出たような状態になることが多く、立っているだけでもやや反り気味になってしまうことがあります。
そのうえ、腰の痛みをなくそうと無理に姿勢を良くしようとすると、背中を起こすより、腰を反って良い姿勢のように見せていることが多いのです。
肥満で腰痛の方は、無理やり姿勢をよくしようとせず、軽く顎を引く、おなかを少しだけ前に出さないように意識する程度の方がちょうど良いのです。
さらに、腰椎分離症にならないため、また腰椎分離症の悪化を防ぐために、「腰回りの筋力強化」が重要です。
特に、腰椎分離症の方が、年齢を重ねるにつれて筋力が落ち、姿勢が悪くなったりが重なると、分離した骨が前に滑って神経を圧迫する「腰椎分離すべり症」にまで進行する危険があります。
じゃあ、腹筋すればいいの?というと、それもまた短絡的すぎます。
腹筋をすることで、腰を痛めることも多いからです。
肥満の方がお腹まわりの力を鍛えようとする場合、まずは横腹を膨らませるような力を意識して動くだけで十分でしょう。
もちろん、肥満解消のために有酸素運動も大切です。
少しだけおなかの力を入れるように意識しながら歩いたり、自転車をこいだり、などが最適です。
肥満による体重をしっかり管理して腰椎分離症にならないこと、腰椎分離症になってもしっかりと鍛えて、さらなる悪化を防いでいきましょう。