腰椎分離症だけど痛くない?~分離してるって言われたけど・・・~
「腰は痛くないんですが、健康診断でMRIを撮ったら腰椎分離症と言われました」という話を聞くことがあります。
腰は痛くないのに、MRIやレントゲンをたまたま撮ることがあり、腰椎分離症を指摘される方がいるのです。
その際、腰椎分離症とは、骨が分離している「疲労骨折」のようなものという説明を受けることになります。
しかし、言われた方からすれば「分離してたら痛いんじゃないの?今腰は全く痛くないんだけど?」と思うのは当然かと思います。
ここでは、腰椎分離症なのに痛くないというケースについてご説明します。
腰椎分離症が痛くない理由は?
実は、腰椎分離症で分離している部分は、よほどのストレスが加わらない限り痛み出すことはあまりありません。
(分離したての頃は痛いこともありますが、それも少しの期間でおさまります)
腰椎分離症に限らず、骨が折れるということはかなりの痛みがあると想像される方は多いでしょう。
ところが、実は、骨によってはイメージより痛みが軽度なこともあるのです。
たとえば、突き指や捻挫でも、実は骨折しているということがあります。
捻挫だと思って歩いて病院に来たのに、実は骨が折れていて、帰るときには松葉杖で帰るなんてケースはよくあります。
(もちろん折れ方や場所によっては想像通りの激痛となりますが・・・)
腰椎分離症はじわじわと分離していくものなので、痛みそのものはあっても軽い(または痛くない)ことが多いのです。
ただし、逆に腰椎分離症なのに痛くない、そして気づかないことに関しては、厄介なこともあります。
たとえば、気づかないうちに腰椎分離症が進行したり、実は分離した部分がずれて行って悪いことが起こっていることもあります。
分離した部分がずれて、神経や脊髄を圧迫して初めて不快なしびれやびりっとした痛みを感じるようになります。
そして、病院に行くころには随分と進行し、手術を勧められることになってしまいます。
腰の痛みがあれば、できれば一度は病院での検査をお勧めします。
痛くない場合でも、健康診断などで定期的なチェックをすることで腰椎分離症の判断は可能です。
腰椎分離症でも痛くない~痛くないからつい・・・~
腰椎分離症と言われたのに痛くない場合は、思わず油断してしまいますよね?
腰椎分離症は思春期、成長期のころにスポーツなどの繰り返し動作により「腰の骨の一部」が疲労骨折のようになるものです。
腰椎分離症を発症したころは痛いこともありますが、よくある腰痛と勘違いされて病院へ行かずに痛みがなくなっていくケースも多いです。
しかし、たとえ痛くなくても、腰椎分離症は進行すると骨が前方へずれてしまい、重い痺れやマヒを出してしまうことがあります。
そのため、腰椎分離症を指摘された場合は痛くないと言っても注意すべきです。
では、どんなところに注意していけばよいのでしょうか?
基本的に、まずは腰の痛みが多少でもあるなら、病院でレントゲンやMRIなどを撮ってもらうことをおすすめします。
痛くない場合は、健康診断などでチェックしてもらうのもよいでしょう。
生活上の注意点では、腰椎分離症になる原因動作、つまり腰を反る動作や反ったまま捻じる動作をいかに減らせるかがポイントとなります。
ちょっとした荷物を抱えるとき、軽くても大きな箱を運ぶ時、など腰が反ってしまう場面は結構ありますので注意が必要です。
また、「子供の抱っこ」はけっこう要注意です。
長い時間子供を抱っこしていると、どうしても腰を反らないとしんどくなってしまいますよね。
どうしても荷物を抱えたり、抱っこしなくちゃいけないことも多くあるので、腰椎分離症を指摘されたらサポーターを使うようにしましょう。
立ち仕事でも、無理に良い姿勢をしようとしたり、逆に休めの姿勢で片方の足に体重をかけてだらっとする時なども、腰は意外と反っているものです。
無理な良い姿勢の代表例が接客業、キャビンアテンダントさんなどです。
美しく良い立ち姿に見えますが、体に負担の少ない立ち方ではありません。
実際、体に負担の少ない立ち姿のほうが外見上も美しく見えることがわかっています。
腰を無理に反って無理やり胸を張るよりも、おなかからお尻の力をうまく使い、軽く顎を引いてるだけのほうがバストトップやヒップトップがしっかりと上がりますよ。
腰椎分離症を指摘された場合は生活習慣の見直しが大切です。
姿勢から見直していきましょう。