腰椎分離症とおしりの症状~だんだん違うところが痛い?~
「腰椎分離症でおしりが痛むことってありますか?」
・・・という質問をいただくことがあります。
おしりがしびれたり、痛みが出たりするという症状はいろいろなものが考えられます。
そもそも、腰椎分離症は、繰り返しの動作によって腰の骨の一部が「疲労骨折」のような状態になり、分離することです。
基本的に腰椎分離症は、腰の骨、腰椎という部分の問題なので、おしりに直接的に痛みやしびれが出ることはありません。
では、どうして「おしりの症状」を訴える方がいるのでしょうか?
ここでは、腰椎分離症とおしりに現れる症状についてご説明します。
腰椎分離症でおしりに現れる症状は?
腰椎分離症になりかけている状態、昔、腰椎分離症と言われて痛みなく過ごしてきた状態、どちらの場合でも腰だけでなくおしりにまで症状が広がることがあります。
では、腰椎分離症でおしりにまで症状が広がるケースはどんなことがあるのでしょうか?
まず一つは、おしりの筋肉そのものの硬さや疲労からくる場合があります。
腰椎分離症は、繰り返しの動作によって腰の骨に負荷がかかり続けることで起こるものです。
そのため、股関節周りにも「繰り返しのストレス」がかかります。
さらに、繰り返しのストレスに対応するために腰回り、お尻周りの筋肉が防御的にガチガチになることがあるのです。
そんなガチガチになった筋肉から、おしりの痛みやしびれが出ることがあります。
中には、おしりだけでなく、まるで坐骨神経痛になったように酷くなることもあります。
それ以外で、腰椎分離症でおしりまで症状が出る場合ですが、分離した骨がずれて神経に圧迫が加わってしまう場合が考えられます。
基本的に、腰椎分離症になりやすい成長期や思春期の頃ではあまりないものです。
むしろ腰椎分離症になり、年齢を重ねた後に徐々に分離した骨がずれていくことによって起こることがほとんどです。
医療機関での病名でいうと「腰椎分離すべり症」と診断されることが多いです。
こうなると、お尻の痛みやしびれだけではすみません。
圧迫の仕方によっては、足先まで症状が広がったり、筋肉のマヒがおこったりと重篤な症状を出してしまいます。
場合によっては、手術が必要になるケースもあります。
腰椎分離症でおしりに症状が広がることは直接的にはありません。
しかし、いろいろなものが重複することが多く、ほかの腰痛と混同されやすいものです。
おしりの症状はまずは一度受診し、原因を確認しておくことをおすすめします。
腰椎分離症とおしりの症状~原因はひとつじゃない~
腰椎分離症でおしりに症状が出る場合は、大きく分けると2つのパターンがあります。
一つ目は、腰椎分離症になりたての頃に「おしり周り」の筋肉もガチガチになり、坐骨神経痛のような症状も合併する場合。
二つ目は、腰椎分離症になり、何年も経過していくうちに生活習慣などで分離した部分が前方へすべって神経や脊髄を圧迫する場合、この2つが大きくは考えられます。
どちらにしろ、まずは腰椎分離症なので腰を反るような動作は注意が必要なのは、どのような症状でも変わりません。
痛みがあってもなくても、反る動作、ねじる動作はできるだけ避けるようにした方が良いのです。
腰椎分離症になりたてのころには、繰り返しの腰への負担に抵抗するために周りの筋肉が強く緊張し、疲労度もどんどん増していきます。
おしり周りの筋肉が硬くなり、疲労するだけで足の方までしびれることは良くあり、腰椎椎間板ヘルニアと間違われこともあるくらいです。
そんな場合は、反る動作に注意しながら、おしり周りの筋肉をストレッチしたり、ゆっくりマッサージすることで、かなり症状緩和が期待できます。
仰向けに寝て、膝を立てて横に倒す、なんて簡単なことでも結構ストレッチになるのです。
横向きに寝て、テニスボールをおしりの下に入れて圧迫するだけでもかなりの効果が期待できます。
ただし、腰椎分離症と診断されてかなり時間がたってから、おしりに痛みやしびれが出た場合は要注意です。
分離した骨が前方へ滑ってしまい、神経や果ては脊髄まであっぱくしてしまい、おしりや足に症状を出してしまうのです。
腰椎分離症と診断されたことがある方は、お尻に症状が出た場合は、すぐに受診して現在の状況をチェックするべきです。
自宅で何かをしてすぐに改善すればよいにしても、まずは分離した骨がどうなっているかをきちんと確認しましょう。
ひどいときには、即手術を勧められるケースもあるようです。
腰椎分離症の厄介なところは痛みがないケースもあることです。
どのような場合であっても、一度は医療機関を受診し、状態を確認するようにしてください。