腰椎椎間板ヘルニアとは、どんな病気?
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)とは、どんな病気なのでしょうか?
他のページでも書いていますが、もう少し詳しくご説明しましょう。
通常、腰椎(ようつい)と呼ばれる「背骨の腰の部分」は、5つの椎骨(ついこつ)によって成り立っています。
上半身の体重を支える脊柱(背骨)の中でも、特に大きな負荷がかかるのが、この腰椎です。
腰は要(かなめ)とも言われますが、腰椎は身体が動くときの可動性の幅も大きいです。
そのため、、椎間板ヘルニアになりやすい部分と言えるでしょう。
椎間板ヘルニアとは、椎間板にある「繊維輪」に亀裂が入ることによって、骨中の髄核(ずいかく)と呼ばれるゼリー状のものが飛び出した状態です。
それによって、神経組織を圧迫して激しい痛みに襲われるのです。
ちなみに、ヘルニアとはまさしく「飛び出す」という意味になります。
つまり、腰椎の椎間板が飛び出した状態のことを「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ぶわけです。
痛みのタイプとしては、腰の激しい痛みに加えて、下肢痛(片側)、しびれ麻痺などが現れます。
腰椎椎間板ヘルニア、その原因とは?
腰椎椎間板ヘルニアとは、どんな病気なのかについては、既にお分かりいただけたと思います。
では、その原因は何なのでしょうか?
実は、椎間板ヘルニアの原因は、一つだけというわけではありません。
さまざまな要素が絡み合って、そして影響し合って発症すると考えられています。
たとえば、重労働だったり、喫煙やストレス、環境的な要因から遺伝的な要因まであり、本当に様々です。
症状の現れ方としては、最初は一般的な腰痛から始まり、左右どちらか片方と足に痛みが出たり、しびれ・麻痺を伴います。
重い荷物などを急に持ち上げようとした瞬間、急性腰痛となるケースと、だんだんと痛みが出てくる腰痛症とがあります。
さらに、太ももから足先にかけて、電流を流したかのような痛みや、しびれが伴いますが、不思議なことに、片側であることが多いです。
加齢などによって、徐々に筋力低下が起きるケースでは注意が必要です。
なぜなら、腰痛や足のしびれ等が軽くなって、スリッパが脱げて気づいたり、膝折れで気づいたりすることがあるからです。
また、しびれによって排尿や排便の感覚が麻痺することなどもありますので、その場合、緊急に対処しなければなりません。
腰椎椎間板ヘルニアで行われる治療法とは?
腰椎椎間板ヘルニアは、「診察所見」とMRI等の「画像所見」を総合的に見ることで、診断が可能になります。
腰椎椎間板ヘルニアの治療方法としては、ほとんどの場合「保存療法」によるものです。
保存療法は、急性期にベッドで安静にして行う方法や、コルセットによって安静にする方法があります。
また、症状によっては薬物療法となりますが、その場合は、筋緊張弛緩薬や消炎鎮痛薬が用いられます。
多くの場合、3か月以内の保存療法を行えば、痛みは引いてくるでしょう。
ただし、腰椎椎間板ヘルニアの痛みが激しい場合、ブロック療法となります。
排尿や排便に困難が生じるようでしたら、手術の可能性もあります。
しかし、保存療法を行っても軽快せずに手術となるのは、だいたい1~3割程度だと思ってよいでしょう。