椎間板ヘルニアとヘルペス~間違われやすいんです~
腰椎椎間板ヘルニアはとても有名な腰痛の一つです。
皆さんも腰が痛くなれば「ヘルニア」じゃない?なんて周りに言われることがあるのではないでしょうか?
今回は、その腰椎椎間板ヘルニアとヘルペス(ウイルス)の症状についてお話していきたいと思います。
なぜ急に、椎間板ヘルニアとヘルペスとの関係を?という方もいると思いますので、ご説明します。
ヘルペスウイルスの一種(子供がかかると水疱瘡)に感染すると「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」という病気を発症します。
あまり多くはないのですが、腰椎椎間板ヘルニアと同じような場所に似たような症状を出すことがあり、混同されやすいからです。
ヘルニアの診断を受けたことがある方が、いつものようなヘルニア症状が出たな、と思っていると、実はヘルペス(帯状疱疹)の症状で、放置してまれに重症化するケースもあります。
さらに正しい対処、治療が行われないと痛みが長い間残ったり、皮膚に跡が残ったりするケースもあります。
椎間板ヘルニアとヘルペスの症状の違いは?
腰椎椎間板ヘルニアとヘルペス(帯状疱疹)のそれぞれの症状についてご説明します。
まず一番の特徴として、どちらも神経に沿った場所に痛みをだすことがあります。
いわゆる「神経痛」といわれるものです。
(腰椎椎間板ヘルニアの症状を「坐骨神経痛」と表現することもありますね)。
たまたま、腰回りや太ももの裏やふくらはぎに帯状疱疹が出ると、腰椎椎間板ヘルニアと間違われやすいのです。
腰椎椎間板ヘルニアの症状として特徴的なのは、腰部よりもお尻の鈍い痛みの訴えが多いということ。
それと、太もも裏からふくらはぎ、すねの外側などに電気が走るような痛みや、じんじんとした痛みがでます。
さらに腰椎椎間板ヘルニアの特徴的な症状として、触った感触が鈍くなったり、つま先が持ち上がらなくなったりするなどの局所的な筋力の低下があります。
一方、ヘルペスによる帯状疱疹では、全身のいたるところに症状の出る可能性があります。
(左右どちらかに出ることが多く、左右同時に出ることは少ない)
腰椎椎間板ヘルニアと同様に、腰回りや足にも症状が出るので、間違われやすいのです。
はじめはピリピリ、チクチクとした痛みからはじまり、服がこすれても痛みが出るようになります。
その後、おおよそ2,3日で皮膚に帯状に発疹が出現します。
おおよそ3週間程度でおさまることが多いのですが、ひどい時には40度くらいの高熱が出たり、しばらく神経麻痺のような症状を出したりすることもあります。
わかりやすいのは皮膚の発疹なのでまずは皮膚のチェックをしてみてください。
お尻や足にじんじんとした症状が出始めたらまずは皮膚のチェックを欠かさずに!
いつものヘルニアの症状だとたかをくくっていると、ヘルペスでひどいことになりますよ。
椎間板ヘルニアとヘルペス~お疲れじゃないですか?~
腰椎椎間板ヘルニアとヘルペスウイルスによる帯状疱疹は間違われることがよくあります。
腰椎椎間板ヘルニアと診断され症状に慣れている方も多いので、ヘルペスによる帯状疱疹だった場合、対処が遅れがちです。
ヘルペスによる帯状疱疹の治療が遅れると、発疹が治っても皮膚にピリピリといった痛み(帯状疱疹後神経痛)や、傷跡が残ることがあります。
さらに、腰とは違いますが、顔に帯状疱疹が出た場合、顔面神経麻痺や角膜炎など重篤な後遺症を引き起こすこともあります。
そこで今回は、ヘルペスによる帯状疱疹に対する注意点や予防策について書いていきたいと思います。
帯状疱疹を引き起こす種類のヘルペスウイルスは、子供のころに感染すると水ぼうそうを発症します。
子供のころに一度感染すると、何十年も体の中にとどまっているのが特徴です。
では、体のなかにヘルペスウイルスがいるのに帯状疱疹を発症する人としない人の違いは何か?
そこに予防策が潜んでいるのです。
といって特別な予防策があるわけでなく、「免疫力」がキーポイントとなります。
体の調子が良い時は免疫力も保たれているため、ウイルスがいても活動できないわけです。
過労や睡眠不足などが重なり、さらに心理的なストレスが増している状況があると免疫力は一気に低下してしまいます。
身内の不幸や職場でのストレスなど心理的に強いストレスが加わるだけでも発症するケースもあるようです。
免疫力を低下させないための基本は、規則正しい生活です。
食事、睡眠、運動を適切に行うことが大切です。
免疫力を向上させるためにはこれを食べましょう!みたいなものもあります。
たしかに良いとは思いますが、では、食べているだけで解決するかというとそういう問題ではありません。
心理的なストレスに関しても、お風呂などでゆっくりとリラックスしたり、たまには大声で笑ったりと積極的な解消が必要になります。
ヘルペスによる帯状疱疹は適切な治療を受ければ治るものです。
しかし、発症するということは免疫力が低下し、まさに「お疲れ」であることが考えられます。
ほかの病気を併発することも考えられますので、適切な対処をしながら生活を見直してみてはいかがでしょうか?