椎間板ヘルニアの症状「手のしびれ」について
椎間板ヘルニアの症状の一つとして「手のしびれ」が挙げられます。
一般的に「椎間板ヘルニア」という名前を聞くと、腰痛から始まる「腰部椎間板ヘルニア」を思い浮かべることが多いでしょう。
しかし、実際は首の部位である「頚部(けいぶ)」でも椎間板ヘルニアは発症してしまうのです。
このサイトでは基本的に腰痛に関しての記事を書いていますが、椎間板ヘルニアという意味で、少しご説明しておきましょう。
手のしびれを伴う頸部椎間板ヘルニアは、腰部のそれとは違い、頸椎症(けいついしょう)という、骨が変形することから発症することが多いです。
重度の場合、「頚椎症性脊髄症」と言われる疾患となり、脊髄を圧迫してしまいます。
その場合、椎間板ヘルニアの症状の一つとして手のしびれを伴うケースがよくあるのです。
手のしびれを伴う頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアの症状
頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアが疑われる症状としては、首をぐっと後の方へ倒したり、横に曲げた時、手や腕にしびれや痛みを感るということが挙げられます。
頸椎椎間板ヘルニアが疑われる方は、手のしびれの前に、何となく首が動かしづらかったり、違和感を感じる時に症状に気付かれるようです。
頸椎椎間板ヘルニアによって、手や腕がしびれる症状がある場合、腰のヘルニアとは体内で起きる現象が変わってきます。
飛び出したヘルニアが神経を圧迫するケースと、骨の後部にある棘(とげ)骨棘(こっきょく)によって神経が圧迫されるケースがあるのです。
まず、飛び出したヘルニアが神経を圧迫するケースについてご説明します。
椎体(ついたい)には、椎体の間を安定させるための鉤状突起(こうじょうとっき)という、丘のような部位があります。
神経根という神経の根っこは鉤状突起のすぐ後を通っていて、それが多数の枝分かれをして、手や腕にまで及んでいます。
頸椎の椎間板ヘルニアによって神経根が圧迫されると、後頭部に痛みや、しびれを生じたりすることも多いです。
神経自体は首から手につながっていますから、酷くなると手や腕のしびれとなって現れるのです。
一方、骨棘(こっきょく)が原因である場合は、体内で起きている現象がちがいます。
骨棘とは、骨と骨の間の摩擦が激しいことで骨にカルシウム沈着が起き、棘(とげ)のように出っ張ってきた状態です。
この骨棘が、頸椎の神経根を圧迫して後頭部や首、手や腕の痛みやしびれを引き起こすのです。
椎間板ヘルニアの症状「手のしびれ」の対処法
椎間板ヘルニアの「手のしびれ」という症状を、自分で対処できる方法について、いくつかご紹介します。
まずは、日常的に注意できることとして挙げられるのが「姿勢」です。
例えばパソコンなどのデスクワークが多い方の場合、座った姿勢が極端に「猫背」になっていることが多いです。
また、腹ばいになって本を読んだり、寝そべってテレビを読んだりすることも、悪い姿勢の典型と言えます。
手のしびれと姿勢など関係ないと思われがちですが、神経根によることを考えると合点がいくでしょう。
悪い姿勢で長時間座っていると、首への負担が大きく、頸椎の神経根を圧迫しやすくなってしまうのです。
その結果、手や腕のしびれも起きやすくなりますので、首に負担をかけない姿勢を保つことが重要です。
それと、眠る時の姿勢ですが、横向きで眠るという方なら、頭蓋骨を中心とした「縦のライン」が背骨の中心と一直線になるようにすると良いです。
具体的には、適正な高さのマクラを使って、首だけコキッと曲がったりしないよう注意してください。
上記のようなことをしばらく続けても改善されない場合は、まずは整形外科を受診しましょう。