椎間板ヘルニアと運転の関係~長い運転は要注意ですよ!~
椎間板ヘルニアになる方の中で、タクシーやトラックのような車の運転をするドライバーさんは多いです。
「長時間の運転は腰に悪い」
・・・と言われるとそんなことは当たり前だろう?と言われる方が多いと思います。
実際、運転を長くすることは、腰にいいことはあまりないですし、椎間板ヘルニアにとっても同様です。
ここでは、椎間板ヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)と運転の関係、運転のどういったところが腰に悪いのかをお伝えします。
椎間板ヘルニアに運転が悪いと言われる理由は?
椎間板ヘルニアに運転が悪いと言われる理由は、どんなとことにあるのでしょうか?
そもそも椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間のクッションがつぶれたり、ねじれて痛んだりすることで、後ろの神経を圧迫してしまうものです。
その椎間板というクッションは、水分をスポンジのように吸ったり出したりすることでよい状態を保っています。
水分の出し入れは体を動かす以外にありません。
しかし、運転で長時間同じ姿勢をしていると水分がドンドンしぼりだされて、椎間板ヘルニアの原因となるのです。
さらに、長時間の運転後にふと体をかがめたり、重い物を抱えたりすれば、ますまず椎間板ヘルニアのリスクは高まるわけです。
(特に長時間の運転後のサービスエリアでは要注意!)
運転は、同じ姿勢をとらざるを得ないというところが最大の問題です。
先ほどの椎間板への負担だけでなく、筋肉の血流が悪くなり、伸び縮みする機能が落ちることもヘルニアを引き起こす要因です。
さらに、車のシートはお尻部分が深くなり、沈み込むような姿勢になることが多く、腰の骨が曲がった悪い姿勢になりやすいのも特徴です。
その上、最近はオートマ車の運転がほとんどですよね。
オートマ車は、左足を使うことがあまりないため、体重の支え方が右ないし、左に偏ってしまうことがよくあります。
これも、長時間続けると骨盤のゆがみを引き起こし、椎間板ヘルニアを悪化させる要因となります。
また、運転するときには、いろいろなものに注意を向けなければならないため、呼吸が浅くなり、疲労の原因ともなります。
近年の研究では、運転は単に腰回りの筋肉疲労が起こるだけでなく、運転中の小さな振動の繰り返しが筋肉の働きや反応を遅くすることも分かってきたようです。
同じ1時間座っているのでも、運転で座っているのと、ただ椅子に座っているのでは疲労度が全然違うことがわかっています。
長時間の運転のあとに車から降りようとするときに、ぎっくり腰になってしまう方が多い理由の一つです。
運転中痛みがある、ないだけでなく、その後しばらくしてからも腰を痛めやすい状態であることを忘れてはいけません。ぜひご注意ください。
椎間板ヘルニアと運転~さてどうやって運転しようか?~
椎間板ヘルニアになりやすい状況の一つとして運転、ないし長時間の運転後ということを書きました。
運転は腰によくないことが多い。
しかし、運転しないわけにはいかない状況である方が多いと思います。
そこで、今回は少しでも運転中の腰への負担を減らす方法や長時間の運転後に気を付けることをお伝えします。
運転中の椎間板ヘルニアへの対策(1)~座り方~
椎間板というクッションに体の重さが長時間かかることで痛めやすい状態になることは書きました。
そこで大切なのは座り方です。
少しシートを倒して座るのがポイントです。
運転は、お尻が沈み込んでしまうようなシートの形状が多いので、タオルを折ってお尻の後ろ半分くらいに挟んでおくのが効果的です。
さらに、クッションを腰とシートの間に挟むようにすることで、背骨の自然なカーブを維持できるため、お勧めです。
また、左足を動かすことがないわりに右足はアクセル、ブレーキと動きが多くなりやすいため、どうしても体重のかかり方が左右均等でなくなります。
そのため、信号待ちなどでは、毎回少しお尻を浮かしてよい位置に座りなおすことをお勧めします。
運転中の椎間板ヘルニアへの対策(2)~リラックス~
運転中は様々なものに注意を払う必要があるため、緊張が高まり、呼吸も浅くなりがちです。
そうなると、今度は肩や背中の緊張が高まり、腰回りの筋肉の緊張もあがってしまうので、血流も悪くなり椎間板ヘルニアのリスクが高まります。
そのため、せめて肩回りだけでもリラックスさせるとよいでしょう。
具体的には、信号待ち等で一瞬ハンドルから手を放して肩回りを軽く回したり、肩をすくめたりゆるめたりを繰り返すだけです。
簡単なことですが、意外にリラックスできて椎間板ヘルニアにも良いですよ。
運転中の椎間板ヘルニアへの対策(3)~ストレッチ~
運転中は難しいのですが、1,2時間運転したらサービスエリアやコンビニ等で一度停車して休憩することをおすすめします。
ちょっと降りて、トイレに行くだけでも血流の改善には役立ちます。
できる範囲で、背伸び一つでもストレッチ体操を行うようにしてみましょう。
(ただし、車から降りる瞬間は要注意!ヘルニアになりやすい状況になっていますので、ゆっくりと少しお腹に力を入れながら立ち上がりましょう。)
運転は長時間しなければならないことが多いからこそ、椎間板ヘルニアへの基本的な予防策は大切です。
適切な予防を行って、ぜひ安全で快適な運転をしていきましょう!