腰部脊柱管狭窄症とは、どんな病気?
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは一体どんな病気なのでしょうか?
まず、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは、脊椎(せきつい)の中の脊柱管が狭まることで、神経が圧迫され、それによって腰の痛みやしびれがおこる病気です。
これは他のページにも書いています。
そして、腰部脊柱管狭窄症とは、読んで字のごとし「腰の脊柱管狭窄症」のことです。
腰椎(腰部の背骨)の内側神経の通路である脊柱管(せきちゅうかん)が狭まると、腰椎の神経が圧迫されて腰痛となって現れます。
これが「腰部脊柱管狭窄症」です。
腰部脊柱管狭窄症の主な原因は、加齢であることがもっとも多いです。
通常、日本においての脊柱管狭窄症は、脊椎(背骨)の変性や、変性すべり症による「変性脊柱管狭窄症」のことを現しています。
腰部脊柱管狭窄症の原因や症状とは?
腰部脊柱管狭窄症の主な原因は加齢ということは述べましたが、実は、生まれつきなりやすい方もいらっしゃいます。
例えば、脊柱管が生まれつき狭い人は、なりやすいです。
椎間関節(ついかんかんせつ)や椎弓(ついきゅう)の形が生まれつき異なる人も、腰部脊柱管狭窄症が多く見られます。
女性に良く現れるタイプとしては、「変性すべり」によるものがあります。
そして、腰部脊柱管狭窄症の症状として代表的なのが、間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。
間欠性跛行とは、しばらく歩くことで脚に痛みやしびれ、こわばり等が出ることによって、歩けなくなる状態を指します。
特徴として、歩き始めの頃はそれほど強く症状は出ないのに、だんだんとその症状が出るということです。
不思議なことに座ったりしゃがんだりすれば、すぐに脊柱管狭窄症の症状は治まります。
その理由は、「立つ」という動作を行う場合、脊柱管がさらに狭くなって神経圧迫に拍車をかけますが、「前かがみ」になると緩和されるからです。
構造的には、体が前かがみの姿勢になると「脊柱管」に少しゆとりができて、神経圧迫がされなくなり、その結果、症状が現れなくなります。
腰部脊柱管狭窄症の改善法、治療法とは?
腰部脊柱管狭窄症の改善法や治療法について、少しご説明します。
まず、日常的なことでは、神経を圧迫させるような姿勢や動作は避けるということが重要です。
例えば、エビ反りのような背中が反る姿勢は、より脊柱管を狭めてしまい神経を圧迫します。
結果的に痛みを誘発しますので、避けるようにしましょう。
腰部脊柱管狭窄症を和らげるには、脊柱管を広げることが大切です。
そのため、歩く時には、姿勢が「前かがみ」になるよう意識してください。
また、コルセットなどによって腰椎の伸展位を防ぐ方法もおすすめです。
歩くときには、痛みやしびれが出る前に休憩したり、手押し車や杖などのような「補助アイテム」を使うと、症状がかなり緩和されます。
薬物療法として挙げられるのが「消炎鎮痛剤」や、「血流改善薬」を使う方法です。
腰部脊柱管狭窄症の痛みが激しい場合、神経ブロックが施されます。
理学療法である「牽引療法」や「温熱療法」などを併用することによって、より早い回復を図ります。
上記のような治療を複数回繰り返しても症状の改善が見られなければ、手術が選択されることもあります。