ぎっくり腰の牽引治療はどうなのか?
ぎっくり腰になって整形外科を受診した後、場所によっては牽引という療法を行う事がありますよね。
ぎっくり腰のときの牽引治療は、医療機関で物理療法を受けている方は見たことがあるかと思われます。
かんたんに言うと、牽引とは機械により腰部を伸ばすことで、腰部の痛みを取ることを目的としています。
脊椎を機械で引っ張る(牽引する)ことによって、骨のゆがみや圧迫や等による腰痛を改善しようとするわけですね。
ここでは、ぎっくり腰と牽引との関係性についてご説明します。
ぎっくり腰に牽引治療は効果がない?
では、率直に言って、ぎっくり腰に対して、この牽引は効果的と言えるのでしょうか?
私もよく腰痛で牽引している場面を見たことがありますが、正直、牽引は何も効果はないとされています。
むしろ、牽引によってぎっくり腰をさらに悪化させる原因にもなると言われています。
最新の牽引の機械の場合、間歇牽引(かんけつけんいん)と呼ばれる方法が採用されています。
1回に15分くらい、1週間に数回の外来通院で行われます。
間歇牽引は、牽引器によって一定の力で一定の時間(秒単位)、交互に引っ張ったり、ゆるめたりを繰り返します。
ぎっくり腰をやった方の中には経験がある場合もあると思われますが、牽引は機械で行っているため、ものすごく引っ張られている感じがします。
引っ張られている間は、気持ちが良い感じはします。
しかし、結構な力で引っ張られるために、腰部に違和感が生じることもあります。
ぎっくり腰(急性腰痛)の場合は痛みが強いですから、牽引すると痛みを助長させてしまう場合があります。
また、過度に筋肉が引っ張られることによって、筋肉の損傷にもつながります。
ぎっくり腰では、少なからず筋の損傷があると思われますので、ぎっくり腰での牽引は、あまりオススメできません。
ぎっくり腰で牽引治療をする事になった場合は?
ぎっくり腰で整形外科を受診し、牽引をする事になった場合は、断ってもかまいません。
ぎっくり腰の痛みを助長させてしまうリスクを考えると、牽引はやめた方が良いでしょう。
ある程度、筋肉の炎症が治まっているのであれば、マイクロ波やホットパックの治療の方が効果的と言えるでしょう。
一定レベルの医療機関には、物理療法の器具があり、牽引を設置しているところは、マイクロ波やホットパックも設置している場合が多いです。
なので、ぎっくり腰になったら、牽引ではなく、そちらに変更できないかスタッフに相談するのも良いでしょう。
特に、ぎっくり腰(急性腰痛)になったばかりで痛みが酷い場合、炎症を起こしているため、非常にデリケートな状態です。
そんな時に、不明瞭な牽引治療を行って後悔することがないよう注意してくださいね。