ぎっくり腰は正座だと楽だと言われるのはナゼ?
ぎっくり腰の時には正座が楽だという話がありますが、どういうことでしょうか?
一度ぎっくり腰になると、2~3日から1週間は「どうやって立ち上がろう?横になろうか?」などと頭で考える時間が毎回必要になります。
何とか楽な姿勢を探して、椅子に座ってみたり、立ち上がって壁に頼ってみたり、前かがみになってみたり、いろんな姿勢を試します。
その中で多いのが「ぎっくり腰は正座していると楽だ」という意見です。
ここでは、ぎっくり腰と正座の関係性についてご説明します。
ぎっくり腰に正座は有効か?
では、「正座」は本当にぎっくり腰の時には有効なのかどうか?
答えはたった一言。
有効です!なぜなら「楽」だからです。
(条件として腰だけが痛い、足に痺れがないなどがありますが)
ぎっくり腰に正座がなぜ有効なのかというと、腰(骨盤)が安定するからです。
ぎっくり腰では、腰回りの筋肉が上手く支えることができず、関節がずれようとして激痛が出てしまうことがあります。
つまり、腰の関節が不安定になるのです。
そのため、姿勢としては腰が安定する姿勢をとるととても楽になります。
正座は、腰や骨盤が左右対称の位置となりやすくとても「おさまりがよい」姿勢なのです。
よく、足を組んで座ると悪いとか、床に横座りが悪いなんて聞いたことがあるかと思います。
あれは、逆におさまりが悪いと言えます。
さらに正座がよいのは、骨盤がまっすぐ「起きる」位置になるため楽になりやすいのです。
骨盤が後ろに倒れるような姿勢の人は多いですが、そうすると骨盤の関節がとても不安定になります。
そのため、動き出すときに筋肉で支えることがより必要となるのです。
例えば、床に座る動作はほとんど骨盤が後ろに倒れてしまいます。
実は、いわゆる体育座りをすると「ぎっくり腰」になりやすいのです。
もしぎっくり腰になってしまった場合、正座は試してみる価値ありです。
正座をすると足がしびれることはありますが、太ももとふくらはぎの間にバスタオルやクッションを挟んで座るとしびれにくくなりますので、併せて試してみてください。
ぎっくり腰は正座以外でも「良い座り方」がある?
ぎっくり腰に正座はよい姿勢だとお話ししましたが、それ以外にも「良い座り方」についてご紹介します。
ただ、急性期に限っては、痛みが楽な姿勢であれば基本的には何でも構いません。
無理に「こうすべきだ」という姿勢をとって痛みを我慢することは「百害あって一利」なしです。
ぎっくり腰で床に座る場合
最近では床に座って生活されている方は多くはないかもしれません。
しかし、ぎっくり腰のときに限って、床に座る機会があったりするものです。
床に座る場合は、基本的に正座が楽であることが多いです。
先ほども書いたように太ももとふくらはぎの間にタオルをおって挟んでもらうとしびれ防止にもなります。
そのほかでいえば、あぐらをかく方もいらっしゃることでしょう。
ぎっくり腰であぐらを組む場合は、骨盤が後ろに倒れないようにお尻の後ろ半分くらいにタオルをおって挟むと良いです。
もしくは、大きな枕を同様にお尻の後ろ半分において座ると楽になることが多いです。
ぎっくり腰で椅子に座る場合
現代の生活では椅子に座ることが多いかと思います。
ぎっくり腰の座り方を工夫するために、バスタオルやクッション、枕などがあると良いです。
床に座る場合と同様、骨盤が後ろへ倒れてしまうと痛みが出ることが多いので、それを防ぐわけです。
ポイントは・・・
- お尻の後ろ半分にタオル(クッションなど)をくさびをうつように挟む
- 背もたれとお尻の間をあまり広く開けない
- ①,②ののちに腰の部分と背もたれとの間にタオル(クッションなど)を挟む
などです。
もちろん、ぎっくり腰の原因によっては体をまっすぐにできない場合もあると思います。
その場合は大きめの枕やクッション、毛布を丸めたものなどをおなかの前に置き、抱えるようにしながら上半身の体重をかけるようにすると楽になることが多いです。
ただし、基本的にはぎっくり腰をして2,3日の急性期においては少々変な姿勢でも楽な姿勢をとるべきです。
また、今回ご紹介した座り方は、足のしびれなどの神経の症状がない例に限ってのことです。
しびれなどがある場合は、ますます楽な姿勢でいた方が良いと言えます。