ぎっくり腰で歩けるのはどうして?
ぎっくり腰の症状は、その病態によって様々です。
激痛が走って全く身動きが取れないものから、わりと楽に歩けるものまでいろいろな症状があります。
今回は、そんなぎっくり腰の中で、症状はあるけど「歩ける」というものについての特徴や注意点などについて書いていきます。
歩けるからと言って、油断は禁物ですよ。
ぎっくり腰でも歩ける!症状としては結構よくあること?
多くの方のイメージとして「ぎっくり腰=身動きが取れない」というのがあると思います。
しかし、結論的には、歩ける方もいらっしゃいます。
その症状の特徴として、寝返りや起き上がり、立ち上がりなどの動作の切り替えの際には激しい腰痛があるということ。
さらに、体をかがめたり、後ろに反ることなどが強く制限されることがあります。
しかし、そんな場合も、立ち上がってしまえば意外と楽に歩けることが多いのです。
- 座っているよりも立っているほうが楽
- 歩けるし、むしろ歩いているほうが楽
なんてことがあるのです。
では、ぎっくり腰なのに、なぜ歩けるのでしょうか?
その理由として考えられることは腰椎が全体に固まって動かないようにすれば痛みが出にくいということがあります。
椎間関節(ついかんかんせつ)で捻挫などが起こった場合、その関節が動かなければ痛みは出ることがありません。
ぎっくり腰では、体の防御反応として、腰椎全体を固めるほど過剰に緊張が走り、それが痛みとなって現れます。
寝返りや起き上がりなどの動作の切り替え時には、腰椎がどうしても動かざるをえないため痛みが強く出てしまいます。
しかし、立ってしまえば腰椎が個別に動く必要はあまりありません。
過剰な緊張が出た筋肉でも、伸びたり縮んだりしなければそこまで痛みを出すことはないのです。
つまり、背骨全体がまとまって動けば、腰の動きに大きな問題はないのです。
それは、歩いている時でも同じです。
腰椎が棒のように固まって動いていれば、結構痛みはなく動けてしまうのです。
逆に言えば、腰椎を棒のようにすれば楽だけど動かすことで痛むという場合、明らかに腰(腰椎)の問題であるといえます。
このように、ぎっくり腰でも歩ける場合があるということは、ぜひ知っておくべきでしょう。
ところで、歩けるからと言って対処の必要はないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
続いて、ぎっくり腰でも歩ける場合の注意点や対処すべきことについて書いて行きましょう。
ぎっくり腰で歩ける!対処や注意点はあるのか?
ぎっくり腰の症状で歩ける場合、注意すべき点などはあるのでしょうか?
また、対処の必要はあるのでしょうか?
ぎっくり腰の治療を考えていく上で最も大事なのが、腰椎を固めた状態からいつ動き始めれば良いのか?ということです。
先ほど、腰椎に問題があっても、背骨を棒のように固めてしまえば、結構楽で動けるということを書きました。
しかし、棒のように固めたままでは、腰の動きも悪くなります。
ですから、ずっとそのままの状態というのはお勧めできません。
動きを固めすぎると本当に固くなってしまいますし、早く動かしすぎると痛みを助長するだけになります。
では、どうすれば良いのでしょうか?
歩ける場合も、動かすことは重要?
基本は「痛みをひどく感じない程度に腰を動かしていく」ということです。
痛みが強い時期には腰椎を固めた方がよいですし、サポーターなどで一時的に補助して歩くのも大変有効です。
日常生活では、なるべく腰をまっすぐ保つようにすること。
そして、腕で体の重さを支えたり、足元の物を持つ時には股関節や膝関節をしっかり曲げるなどが動きの工夫となります。
もし歩けるようであれば、痛みを無理しない程度には歩いた方が治りも早いです。
いきなり「ウォーキング」というのは難しいと思いますけどね。
なので、お勧めするのはスーパーなどで買い物しながら歩くことです。
なによりカートがあるので、それを持ちながら少し体重を支えながら歩くとよいでしょう。
そうして徐々に動きが広がってきたり、痛みが少し緩和されてきたりしたら、今度は棒のようになった腰椎に少しずつ動きを入れていきます。
すわった状態で骨盤を後ろに倒したり、起こしたりや背中の曲げ伸ばしなどによって背骨全体に動きを入れていくとよいでしょう。
単純な背伸びやゆっくりと身体を捻じることも馬鹿にはできない運動の一つです。
そして、歩く時も、おなかに少し力を入れることを意識するとなお良いでしょう。
まずは、基本を忘れずに徐々に動くようにしていってみてください!