ぎっくり腰と筋膜の関係性とは?レントゲンに異常がないぎっくり腰?
ぎっくり腰と筋膜(きんまく)の関係をご存知でしょうか?
実は、筋膜によるぎっくり腰って、レントゲンに異常が見つからないんです。
ぎっくり腰になって、いざ病院に行くと、激痛の割りに結構な頻度で・・・
医師:「レントゲンには異常ありませんよ」
自分:「へ?こんなに腰痛いのに?身動き取れないのに?」
医師:「無理せず安静にして、湿布と内服薬で様子を見てください」
・・・というようなことを言われることが多いです。
そもそも「ぎっくり腰」と一口に言っても、腰椎椎間板ヘルニア、すべり症、分離症、圧迫骨折、仙腸関節症、他の病気由来と原因は様々です。
特に、今回はレントゲンに異常がないぎっくり腰の中でも頻度の多い「筋膜」由来のぎっくり腰をご紹介します。
ぎっくり腰が筋膜によって起きる理由は?
ぎっくり腰が筋膜によって起きる理由は何でしょうか?
まず、「筋膜」とは字の通り、筋肉を包む膜のことです。
筋肉の働く効率をよくしたり、腰回りで言えば、「腰背腱膜(筋膜)」という幅の広い厚い筋膜があり、自前のコルセットのような役割をしています。
さらに筋膜の上には、痛みを感じる神経が筋肉の中よりも豊富であり、損傷したときに痛みを感じやすいところであります。
もともと体が硬い、運動量が普段少ない、疲労が溜まっているという方は多いと思います。
それに加えて準備運動をせず急激に重いものを抱えたり、中腰のまま体をねじったりなど、腰への負担が強くかかると筋膜や筋肉が損傷してしまうのです。
これが、筋膜由来のぎっくり腰です。
さらに、体の防御的な反応で筋肉が痙攣(けいれん)してしまい、にっちもさっちも体が動かせない、まっすぐならないというようなことになるわけです。
レントゲンに異常がなくても、筋膜由来は立派なぎっくり腰、あまり無理をせず、医師の処方に従うことをお勧めします。
次は、筋膜由来の腰痛の対処法について書いていきたいと思います。
筋膜によるぎっくり腰~薬で少しは楽になるけれど…
ぎっくり腰の中でも筋膜由来のぎっくり腰の対処法についてお話します。
筋膜によるぎっくり腰は、腰回りの筋膜や筋肉が損傷するのが原因です。
さらに、体を守ろうとする反応で周りの筋肉が痙攣(けいれん)して、体を動かしづらくなることも症状のひとつです。
病院では、レントゲンで骨に異常がないため、内服薬や湿布で様子を見ながら安静をすすめられるでしょう。
しかし、多くの筋膜由来のぎっくり腰の方はこう言います。
- 「内服薬で多少は動けるようになったけれど、なんかまだ痛いし、動きづらい」
- 「2,3日で痛みは半分くらいになったけど、それ以降2週間ずっと同じような状態」
改めて病院で相談してもレントゲンに異常がないので徐々に動いていくように、心配いらないとの指示がある程度のことが多いようです。
なぜこんなことが起こるのか?
この多少はよくなるけれど、なんかすっきりしないというのが筋膜由来の腰痛の特徴です。
治りにくい方の特徴として、痛める前からもともとかなり疲労が溜まっており、慢性的な腰痛持ちの方が多いです。
ところが、筋膜を損傷するだけでなく、周りの筋肉が痙攣してしまうことが厄介なのです。
筋肉は急性期を過ぎても、まるで形状記憶合金のように防御的な反応を続けてしまうのです。
そこで大切なのは、「動く」ことなのです。
もちろん無理に動いてはいけません。
痛みのない範囲で構わないので、ゆっくりと体操から始めることが大切です。
ぎっくり腰の発症から2,3日経ったら、寝た状態から膝を抱えて丸くなる、ゆっくりと背伸びをするなど簡単な体操を意識的に行うことです。
1セット2,3回として、日に何度も行ってみてください。
痛みが増すようなら、さらに軽く行ってみましょう。
特殊な運動でなくても、無理なく意識的に動くことで改善することが多いのです。
何日も安静ばかりとっていると筋肉の伸び縮みが起きず、これまで以上に硬くなっていきます。
日本整形外科学会が定めている腰痛ガイドライン最新版でも、過剰な安静は勧められなくなっています。
「動けるようになったら痛みのない範囲でどんどん動く」
これが、筋膜からくるぎっくり腰の基本原則となります。