坐骨神経痛は足の付け根の痛みから始まる?
坐骨神経痛と診断される前から、足の付け根が痛んで病院へかけ込むという方がいらっしゃいます。
坐骨神経痛とは、坐骨神経に沿って、殿部(お尻)から足の付け根、大腿後面、足部まで痛みが広がっていくのが特徴です。
足の大腿部を通っている坐骨神経は、神経の中でも一番太く、長い神経です。
そのため、触診にて坐骨神経を触る事も可能です。
ここでは、坐骨神経痛によって足の付け根の痛みが生じる場合の症状、原因や対策などについてご説明します。
坐骨神経痛で足の付け根が痛む理由は?
坐骨神経痛によって足の付け根が痛む理由は、何でしょうか?
それは、坐骨神経が大腿部から足の付け根にまで通っていて、坐骨神経という神経が痛みを感じるためです。
坐骨神経痛の主な原因としては、坐骨神経の長時間の圧迫や椎間板ヘルニア、梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)など様々です。
坐骨神経痛が発症するときに一番多い原因は、椎間板ヘルニアによるものです。
そのため、殿部から足部まで痛みがなく、足の付け根等の局所に痛みが現れるのも、坐骨神経痛の可能性があります。
坐骨神経痛の鑑別としては、ラセーグ徴候やブラガードテストによって判断できます。
識別を行う方法としては、仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま足を上に持ち上げます。
わずかに挙げただけでも、太ももの裏に痛みや痺れが生じたら陽性です。
また、痛みが出た角度から5°程度下げた状態で、足首を曲げる(蹴る方向ではありません)と、太ももの裏から足先まで痺れたら陽性です。
坐骨神経痛で足の付け根の痛みが現れたら?
坐骨神経痛によって足の付け根に痛みが現れるようになった場合、どうすれば良いのでしょうか?
まず、坐骨神経痛の原因としては、実にたくさんあるため、それぞれ対処法が異なります。
たとえば、デスクワーク等で長時間座っての作業をする方の場合、坐骨神経痛を長時間圧迫する事になるため、坐骨神経痛になることがあります。
椅子に長時間座っていることが習慣化している人が、足の付け根に痛みを感じ始めたら注意してください。
その場合は、クッションを弾性のある物に変えたり、定期的に立つなどして、圧迫を取り除く事を意識しましょう。
一方、その原因が椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合は、坐骨神経痛の原因となっている疾患の治療をしなければなりません。
椎間板ヘルニアの改善方法は以前お話したため、今回は脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の対処法をお話しします。
脊柱管狭窄症は、胸椎(胸のうしろの背骨)や腰椎(腰部の背骨)が変形し、脊柱管が狭くなり神経を圧迫し、症状が出現します。
背中を丸めると、症状が緩和する方が多いですが、根本的な治療とはなりません。
椎体の動きを良くし、正しいアライメント(骨のならび)に戻すために、猫背や背伸びの姿勢を繰り返し実施し、椎体の動きを良くしましょう。
骨盤から動かすイメージで行うとより効果があります。