坐骨神経痛と遺伝~家族にも坐骨神経痛がいますが?~
「父も坐骨神経痛持ちなんですが、遺伝によって起こったのでしょうか?」
・・・なんていう話を聞くことがあります。
坐骨神経痛はわずらう方の数がとても多いので、家族の中に複数人苦しんでいる人がいることも珍しくありません。
坐骨神経痛ってもしかして遺伝するの?という疑問がわいてくる気持ちもよく分かりますよね。
ここでは、坐骨神経痛と遺伝の関係性についてご説明します。
坐骨神経痛は遺伝するのか?
さて、では本当に坐骨神経痛は遺伝するのでしょうか?
答えは「ほとんど関係ない」です。
ほとんどというところがミソなのですが、基本的には生活習慣や生活環境のほうが大きく影響しています。
もし、遺伝が関係あるとすれば、坐骨神経痛になることよりも体の構造の特徴が遺伝している。
そして、それが坐骨神経痛になりやすい構造だったという程度でしょう。
例えば、脊椎といわれる首から腰までのいわゆる背骨は一般的には24個あるのですが、この数が多い人がいます。
頚椎という首の骨が7個あるところが8個あったり、腰椎といわれる腰の骨が5つのところが6つあったりすることがあります。
さらに、椎間板といわれる背骨の間のクッションの厚さも遺伝することもあるようです。
このような体の特徴から、神経を圧迫しやすくなることがあり、その場合は結果として坐骨神経痛になりやすいとなります。
しかし、そのような遺伝が関係しているかもしれないケースは稀です。
仕事や生活スタイルなどの生活習慣のほうが大きく影響していることは間違いありません。
実際の体験としても、坐骨神経痛で腰椎の数が6つある方のお父さんも腰椎が6つあるという話でしたが、そのお父さんは坐骨神経痛どころか腰痛も感じたことがありませんでした。
坐骨神経痛という病名があまりにも有名すぎるので「遺伝か?」という話がまことしやかにささやかれています。
しかし、基本的には年齢を重ねるにつれて骨の隙間は狭くなり、筋肉が落ちてくるのはみんな一緒です。
そのため、誰でもなる可能性があるので、家族に坐骨神経痛がいないからといってならないというわけではありません。
改めて生活環境や習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
坐骨神経痛と遺伝~背骨が多いって言われたんですが?~
坐骨神経痛は遺伝とはほとんど関係ないと書きました。
その少ない遺伝の中でも、実は体の構造の遺伝のせいで坐骨神経痛になりやすい人がいます。
(あくまでリスクが少し高いだけで、結局は生活習慣の問題のほうが大きいのですが)
たとえば「背骨が多い」と言われる方がいます。
病院を受診して、レントゲンを撮ってはじめてわかることがほとんどです。
医師からは一つ多いね、と簡単にいわれ、あまり説明もないことが多いです。
確かに特に心配はいらないですし、背骨が一つ多いだけで大きな問題はありません。
ただし、一つ一つの背骨の隙間が狭くなりやすく、神経を刺激しやすくなってしまいます。
そのため、特に腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛になる危険性をはらんでいると考えられています。あくまで稀なケースですが。
さて、背骨が多い(遺伝)といわれた場合、どうしたら良いのでしょうか?
基本的には、坐骨神経痛にならないようにする対処と同じです。
中腰を避ける、長時間の同じ姿勢を避けるなどが大切です。
背骨が多い分固まってしまうと厄介なので、普段から背伸び一つでも意識して行っていくことが大切です。
遺伝と坐骨神経痛とはあまり大きな関係がなく、生活習慣のほうが大切だと書きました。
では、いったい生活の中ではどのような注意が必要なのでしょうか?
まずは、同じ姿勢をずっととることをしないのが大切です。
同じ姿勢であると筋肉が固まり、坐骨神経を刺激しやすくなるのです。
さらに、中腰が悪そうなのは皆さんご想像の通りです。
しかし、無理にいい姿勢でいることを頑張るくらいなら、どんどんと動いた方が望ましいことも分かっています。
坐骨神経痛と遺伝の関係について書きましたが、結局は明確に関係あるとも、ないともいえないことがあります。
遺伝かどうかを気にする前にまずは坐骨神経痛や、腰の状態をチェックしてもらうことが大切なのです。